AIが連携して動く「四季報AI Ver2」の実力は? 株式市場の“旬な話題”について聞いてみた(2/3 ページ)
東洋経済新報社の「四季報AI」が、初めての大幅なアップデートを行いました。使用するAIエージェントの数が実に50倍に増え、一歩踏み込んだ投資判断のアドバイスまで行えるというので、開発者に話を聞きながら体験してきました。
例えばある企業について質問すると、回答に加えて関連する追加の質問まで自動的に提案してくれます。しかも、生成された文章や図表が織り交ぜられた分かりやすい文書となっていました。
特筆すべきは、単なる財務データの検索だけでなく「どの会社に自社製品を提案すればいいか」といったビジネス判断にも活用できる可能性が出てきている点です。そして、そういった可能性が出てきたのも、Ver2では四季報データ以外に企業の公開情報も参照しているからです。
「AIが複数の判断材料を用意し、それを基に投資判断のアドバイスまで踏み込めるようになりました」と話すのは、東洋経済新報社の担当者。実際、会社四季報オンラインのプレミアムプランへの入会理由として「AIを使いたいから」という声が増えているそうです。
四季報AI Ver2の裏では、50ものAIがこういうことをやっていると理解していると、実際の四季報AIで実際にプロンプトを走らせると出てくる以下のような画面も、なんだか少し愛おしくなるわけです(実際にはただ待っているだけですが)。
プロンプトは「ソニーとKADOKAWAの関係に興味を持っています。ソニーに買収されるかと思っていましたが、追加投資だけでした。株価への影響含めて知りたいです」。
結果は、文字数としては3500文字程度。13個の表とグラフを交えたリポートが生成されました。全文掲載はできないので、リポート冒頭と目次のみ、ここでは掲載します。
目次
- ソニーとKADOKAWAの資本提携強化
- ソニーのKADOKAWA株式保有比率の変化
- ソニーの追加投資額と目的
- 資本提携強化による両社の事業戦略
- アニメ事業での協業拡大の具体的計画
- デジタルコンテンツ市場規模の成長予測
- 株価への影響と今後の見通し
- 発表後のKADOKAWA株価の推移
- アナリストによる両社の業績予想
内容としては、サマリー的な内容ではありますが、これをベースにして、分析を深堀していくには十分なレベルであると思えるものでした。そして、深堀していく際、参照元が明示されていることが役立つのは言うまでもありません。
ついでに、株価のことだけをまとめてもらいました。
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