コラム
クレカの表現規制、真犯人は誰か 見えてきた“構造的原因”を解説する(1/4 ページ)
以前にクレジットカード利用における表現規制の問題について、執筆時点で筆者が知り得る情報をまとめた記事を出したが、それからいくつか見えてきたポイントがあるので、ここで改めて触れておきたい。
以前にクレジットカード利用における表現規制の問題について、執筆時点で筆者が知り得る情報をまとめた記事を出したが、それからいくつか見えてきたポイントがあるので、ここで改めて触れておきたい。
前提として、同じく弊誌で2024年12月3日に参議院議員会館で行われた「クレジットカード会社等による表現規制『金融検閲』問題を考える」の集会レポートにある話題について押さえてもらえるとありがたい。
これまでの経緯を整理
これまでの経緯を箇条書きで簡単に整理すると、以前からあった問題がここ最近特にトピックスとして取り上げられるようになってきた経緯がある。
- アダルトコンテンツを扱う(主に)オンラインサイトが、クレジットカードの取り扱いを停止するとの決済代行業者から通知を受けるケースが頻発しており、実際に停止に至るケースが出ている
- これらアダルトコンテンツを含む書籍等の流通を行うオンラインサイトには、以前から警告として「当該のキーワードを含むコンテンツを取り扱わないように」との文章とともに禁止キーワードリストが送付されている
- 山田太郎参議院議員が渡米してVisaの米国本社において役員と対談し、Visaが特定のキーワードを指定してコンテンツの排除の指示を出したことはないとの確約を得る
- その後、日本のビザ・ワールドワイド・ジャパン社長のシータン・キトニー氏が「(アダルトコンテンツから)ブランドを守るために(Visaカードを)使えなくすることも必要」とのコメントに対し、山田議員が再度連絡を取って本社の見解との相違がないことを確認
- 一方で、Visa本社の見解が出た後もアダルトコンテンツを扱う事業者へのクレジットカード取り扱いを止める通告が続いており、マンガ図書館Zの売上金の支払いが行われていない問題や、オタク婚活サイト「アエルネ」の突然の利用停止通告、その後の突然の撤回などがある
今回はVisaばかりが矢面に上がっているが、海外の国際ブランドとしてMastercardなども同様のことがいえる。「Visaがやっていないというなら、誰が原因なの? Visaがうそをついているんじゃないの?」と考える方がいるかもしれない。筆者が関係者らから聞いた話と、その後、山田議員に改めて事象を確認していくなかで見えてきたのがこの結論だ。
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