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10億台超のIoT機器に搭載の「ESP32」に悪用可能な隠し機能発見

10億台以上のスマート家電や産業機器に組み込まれている中国製MCU「ESP32」に悪用可能な隠し機能を発見したと、セキュリティ企業のTarlogic Securityが発表した。意図的に仕込まれたものかどうかは不明だが、悪用すればスマートロック解錠や医療機器の誤作動などが起こり得る。

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 スペインのセキュリティ企業Tarlogic Securityは3月6日(現地時間)、中国Espressif Systems製のMCU(マイクロコントローラ)「ESP32」にバックドア(後に「隠し機能」に訂正)を発見したと発表した。

【UPDATE】同社は9日、発表文で、「ESP32 コントローラーのメモリの読み取りや変更などの操作を可能にする独自の HCI コマンドの存在は、『バックドア』ではなく「隠し機能』と呼ぶ方が適切であることを明確にしたいと思います」と修正したため、この記事も修正します。

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訂正文

 ESP32は、Wi-FiとBluetoothの接続機能を備えるMCU。低コストなため、多くのスマートデバイス、家電製品、産業機器などに搭載されている。Espressif Systemsによると、2023年には全世界で10億個以上のESP32が出荷されたという。

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ESP32(Espressif SystemsのWebサイトより)

 Tarlogic Securityが発見した隠し機能は、メーカーが公には文書化していない隠されたコマンドを利用するもの。この隠し機能が意図的に仕込まれたものかどうかは不明だが、これを悪用すれば、個人情報や機密情報の窃取、スマートロックの不正解錠、医療機器の誤作動、マルウェアの拡散によるIoT機器で構成されたボットネットの構築などが可能になる。

 Tarlogic Securityは、この隠し機能に対処するため、Bluetoothセキュリティ監査手法「BSAM」と、セキュリティテストツール「BluetoothUSB」を開発した。

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隠し機能の対策ツールを紹介するTarlogic Securityの研究者(画像:Tarlogic Security)

 同社はまた、デバイスのファームウェアを最新の状態に保ってセキュリティパッチを適用することや、信頼できるメーカーからデバイスを購入することを勧めている。

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