JR西日本と「3Dプリンタ住宅」を手掛けるセレンディクス(兵庫県西宮市)、コーポレートベンチャーキャピタルを運営する西日本イノベーションズ(大阪府大阪市)は3月11日、3Dプリンタによって鉄道駅舎を建設すると発表した。和歌山県有田市にある初島駅(JR紀勢本線)に、10平方メートル弱の建物を建築するという。
建物の基礎部分を含めた外形を3Dプリンタでパーツごとに出力し、鉄筋・コンクリート充填などの処理をした上で現地で組立作業を行う。施工時間は終電から始発までの約6時間を想定。JR西らは「現場での作業が大幅に効率化可能で、在来工法(鉄骨造や鉄筋コンクリート造)と比較して、工期の短縮効果が期待できる」と説明している。
鉄筋コンクリートで作るため、木造駅舎に比べ耐久性や耐食性に優れたものになるという。また、型枠を使わないため造形の自由度が高く、デザイン面でも工夫が可能としている。「外装デザインには、当該地域ならではの特性を反映した地域住民に愛される駅舎を目指し、地域共生に貢献する」(JR西)
3Dプリンティング技術を使った駅舎建設は世界初。建設や維持管理にかかるコスト効果を検証した上で、他駅への展開も検討するという。
(関連記事:駅舎を3Dプリンターで作るJR西日本 コスト削減だけではない、その狙いとは)
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