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北極の“海氷域”、冬でも広がりにくく 衛星観測史上最小に──JAXAが発表
JAXA(宇宙航空研究開発機構)は4月18日、北極の年間最大面積(冬季海氷域面積)が、1979年の衛星観測開始以来、最も小さかったと発表した。、「地球規模の気候変動と関連する現象であり、今後の気象や海洋環境への影響が懸念される」と指摘している。
JAXA(宇宙航空研究開発機構)は4月18日、北極の年間最大面積(冬季海氷域面積)が、1979年の衛星観測開始以来、最も小さかったと発表した。
北極の海氷域面積は、毎年冬の終わりを迎える3月頃に最大となる。2025年の年間最大面積は、3月20日に記録された1379万km2で、過去最少だった2017年3月5日の値を下回った。
JAXAは北極海氷域面積の減少について、「地球規模の気候変動と関連する現象であり、今後の気象や海洋環境への影響が懸念される」と指摘。引き続き、極域の海氷観測を継続する方針だ。
今回の海氷域面積は、水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W)に搭載された、「AMSR2」のデータを基に算出した。JAXAは2025年度中に、AMSR2の後継機となる「AMSR3」を搭載した、温室効果ガス・水循環観測技術衛星「GOSAT-GW」の打ち上げを予定している。
大気再解析データ(NCEP-NCAR Reanalysis 1)に基づいて算出した、2024年12月(左)、2025年1月(中)、2025年2月(右)の925hPa気圧面における気温偏差(℃)の空間分布
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