IIJ不正アクセス、原因は「Active! mail」の脆弱性を悪用したゼロデイ攻撃 586契約で漏えい判明
IIJは4月22日、15日に公表した「IIJセキュアMXサービス」への不正アクセスに関する調査結果を発表した。漏えいが判明したのは586契約で、原因は第三者製ソフトウェアの脆弱性だという。
インターネットイニシアティブ(IIJ)は4月22日、15日に公表した法人向けメールセキュリティサービス「IIJセキュアMXサービス」への不正アクセスに関する調査結果を発表した。漏えいが判明したのは586契約で、原因は他社製ソフトウェアの脆弱性だという。
586契約で情報漏えいを確認
情報漏えいの対象となった契約数は586契約(同一顧客で重複しているものは除外)。内訳は、電子メールのアカウント・パスワードの漏えいが132契約、電子メールの本文・ヘッダ情報の漏えいが6契約、当該サービスと連携されていた他社クラウドサービスの認証情報の漏えいが488契約となっている。
現在も契約中の顧客に対しては、個別に案内を行っている。また、運用管理担当者は法人サービスの利用者向けWebサイト「IIJサービスオンライン」からIIJによる案内を確認できる。過去の顧客に対しては、相談フォームでの問い合わせを受け付けている。
原因は第三者製ソフトウェアの脆弱性
あわせて、不正アクセスの原因も公表した。サードパーティーのソフトウェアとして使用していた「Active! mail」の脆弱性を悪用されたという。
「Active! mail」は、クオリティア(東京都中央区)が提供するWebメールサービス。脆弱性は今回の事案により初めて明らかになったもので、4月18日に脆弱性対策情報ポータルサイト「JVN」(Japan Vulnerability Notes)において、緊急度の高い脆弱性として公開された。
「Active! mail」にはスタックベースのバッファオーバーフロー(CWE-121)に該当する脆弱性が存在しており、「遠隔の第三者によって細工されたリクエストを送信された場合、任意のコードを実行されたり、サービス運用妨害(DoS)状態を引き起こされたりする可能性がある」という。なお、IIJセキュアMXサービスにおいては、当該ソフトウェアによるオプション機能は2025年2月をもって提供終了している。
IIJは4月15日に当該事案を公表。2024年8月3日以降に受けた、IIJ セキュアMXサービスへの不正アクセスにより、全ユーザー400万アカウント超のメール情報や認証情報などが漏えいした可能性があるとしていた。
同社は再発防止に向けて、セキュリティ対策および監視体制の強化について検討を進めていると発表。あわせて「関係機関と連携して対応を行っている。新たにお知らせすべき内容が判明した際は、速やかに情報を開示していく」とコメントしている。
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