ソフトバンク宮川社長、NTTデータについてコメント 「子会社化が本当に最適なのか、ドコモを見るとそうは思えない」
ソフトバンクの宮川潤一氏(代表取締役 社長執行役員 兼 CEO)は、同社が5月8日に開いた2025年3月期決算会見において、同日に発表されたNTT持株によるNTTデータの完全子会社化についてコメントした。
ソフトバンクの宮川潤一氏(代表取締役 社長執行役員 兼 CEO)は、同社が5月8日に開いた2025年3月期決算会見において、同日に発表されたNTT持株によるNTTデータの完全子会社化についてコメントした。
記者から質問される形で宮川氏は、「過去を振り返りますと。ドコモもNTTデータも公正競争を保つために一旦分離されたと認識している。それがまた一緒になりたがってるというのは、NTTの中に『大NTT』に回帰したい人たちがいるんだろうな」と私見を披露。
NTTデータについては「強みは海外展開にあると思う。チャンスがあれば我々もデータとはいろんな提携をしたいと佐々木社長(NTTデータ代表取締役社長の佐々木裕氏)と会話していた」とソフトバンクも同社との提携を模索していたと語る。「NTTがこれから海外に打って出る際に、NTTデータのプラットフォームを利用して拡大していきたい気持ちは非常に理解できる」(宮川氏)
また、「完全子会社化することが本当に最適なのか。ドコモを見る限り、そんな風にはあまり思えない。佐々木社長は(宮川氏が)すごく買ってる社長の一人で、素晴らしい人なんですけど、佐々木社長の良さが半減するんじゃないかなと心配もします」と、2020年にNTT持株が完全子会社化したNTTドコモを引き合いに出し、子会社化の影響について言及。
廃止見送りが決まったNTT法についても「廃止じゃなくて本当に良かったと今日改めて思った。局舎や伝送路をNTTグループのためだけに使われると、我々事業者も競争にはならない。制限のかかったNTT法が廃止ではなく一部見直しで済んだのは本当に良かった」と、NTTデータ買収でより一体化が進むNTTを牽制した。
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