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高出力レーザーでドローンや無人機を迎撃 防衛装備庁の“レーザー砲車両”に潜入した

国内唯一の防衛・セキュリティ展示会「DSEI Japan」で、防衛装備庁が無人機やドローンを迎撃するための車載型レーザー実証機を展示している。

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 5月21日に幕張メッセで開幕した国内唯一の防衛・セキュリティ展示会「DSEI Japan」で、防衛装備庁が無人機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)やドローンの迎撃を想定した車載型のレーザー実証機を展示している。コントロール室に入ることもできた。


レーザーを備えた大型車両

レーザー発振装置部分

 レーダーと2つのカメラ(うち1つは熱感知カメラ)で無人機やドローンを自動的に見つけ、人間がスイッチを押すことでレーザーを発射する仕組み。電源さえあれば弾切れの心配がなく、迎撃コストの安さが利点だという。

 防衛装備庁がYouTubeで公開した動画には、実際にレーザーを照射されたドローンが火を噴いて墜落する様子も映っている。ドローンの側面には穴が開き、周囲は溶けていた。


防衛装備庁がYouTubeで公開した動画にはレーザーを照射されたドローンが火を噴いて墜落する様子も映っている(出展:YouTube

 展示機は8輪の大型トラックに各種レーダーとレーザー発振装置を搭載したもので、レーザー出力は10kW。トラック上部に設置されたレーザー発振装置は360度回転が可能だ。

 会場ではコントロール室への立ち入りもできた。中にはレーダーやカメラの画面が並んでいる。なお外付けの小型レーダーを追加し、検知精度を上げることもできるという。

 担当者によると、これまでに小型無人機や81mm迫撃砲弾の迎撃を実証したが、10kWの出力を実現するためには300kW以上の電源が必要になることが課題だという。展示機では、コントロール室の横にレーザーに電力を供給するための発電機を備えていた。


コントロール室は天井が低く、姿勢を低くしなければ頭をぶつける

手前は発電機部分で、奥にコントロール室が配置されている

熱感知カメラの捉えた映像

標的の位置を表示するレーダー

映像を表示するカメラ

地上設置型小型レーダーの性能諸元

小型レーダーの設置風景

車両の全体像。8輪の大型トラックになっている

小型レーダーを追加して検知精度を上げる
防衛装備庁公式YouTubeが公開した映像

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