OpenAI、The New York Timesとの訴訟でユーザーデータ保存命令に控訴
OpenAIは、The New York Timesとの著作権訴訟で、ユーザーが削除したChatGPTの会話データを無期限に保存するよう裁判所から命じられたと発表。同社はこの命令がプライバシーを侵害するとして控訴する方針だ。命令は無料版を含む一部ユーザーに影響を及ぼす。
米OpenAIは6月5日(現地時間)、米The New York Timesによる著作権訴訟で、ユーザーが削除したChatGPTとの会話期限に」保存するよう裁判所から命令されたと発表した。同社は控訴するとしている。
ブラッド・ライトキャップCOO(最高執行責任者)は公式ブログで、この命令は行き過ぎであり、「プライバシー保護を弱めるものだ」と語った。
この訴訟は、2023年12月にThe New York Times(以下、NYT)が、OpenAIと米MicrosoftがNYTの記事を「数百万件コピー」してAIモデルをトレーニングした結果、同メディアと読者との関係が損なわれ、購読料や広告などによる収入も奪われるとしてニューヨーク州南部地区連邦地裁に提訴したものだ。
裁判所は5月にOpenAIに対し、ユーザーがチャットの削除を要求した場合やプライバシー法に基づいてOpenAIがデータを削除する義務がある場合でも、「本来であれば削除されるはずのすべての出力ログデータ」を保存するよう命じた。
OpenAIのポリシーでは、ユーザーがチャットを削除した場合は、30日間保存してから完全に削除すると定められている。
ポリシーのページには同日、「一部のサービスにおけるデータ保持は、最近の法的動向の影響を受ける可能性があります。詳細はブログ記事をご覧ください。」という注意書きが追加された。
OpenAIによると、この命令は、ChatGPTの無料版、Pro、Plus、Teamのユーザーに影響を与えるという。EnterpriseおよびEdu版、データ保持ゼロ契約を結んでいる企業顧客には影響しない。
サム・アルトマンCEOはXへのポストで「ユーザーのプライバシーを侵害するいかなる要求にも対抗する。これがわれわれの基本原則だ」と語った。
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