たまアリ、AIで落とし物対応を自動化 イベント後の“電話渋滞”解消へ
さいたまスーパーアリーナは、AIを活用した落とし物管理サービス「落とし物管理さくらさん」の運用を6月中旬に開始する。問い合わせはWebチャット経由で受け付け、AIが該当物品を特定。保管期限を過ぎた落とし物はブックオフが回収し、リユースやリサイクルにつなげる。
さいたまスーパーアリーナを運営するさいたまアリーナ(さいたま市)は、AIが落とし物の管理と問い合わせ対応を担うサービス「落とし物管理さくらさん」を6月中旬に運用開始した。従来電話で受け付けていた問い合わせ対応を自動化することで、スタッフの業務負荷を軽減する他、利用者の待ち時間短縮を図る。
落とし物管理さくらさんは、ティファナ・ドットコム(東京都目黒区)が提供するサービス。さいたまスーパーアリーナ公式Webサイト上のチャットで問い合わせを受け付け、届けられた落とし物の中からAIが該当するものを特定する仕組み。
利用者は、施設Webサイトの「落とし物問い合わせ」専用フォームから、「AIさくらさん」とチャット形式で24時間やりとりが可能。画像を添付しての問い合わせもできるため、電話に比べて照会の精度が高まり、時間を気にせず利用できる点でも、心理的な負担が軽減されるとしている。
これまで紙ベースで行っていた落とし物の管理は、スマートフォンでの撮影・登録方式に切り替える。AIが物品名や特徴、警察への届け出分類を解析して自動登録することで、対応スタッフの工数削減につなげる。落とし物情報はイベント名や日付とひも付けて管理できることから、さいたまアリーナは「問い合わせ時の特定が容易になる」と見込む。警察へ提出する書類の出力も自動化する。
同施設では毎年多くの落とし物が発生しており、イベント終了後や翌日には電話による問い合わせが急増。実物を1件ずつ確認していたため、対応には1件あたり平均6〜7分を要し、複数のスタッフが同時に対応する必要があった。来場者を電話口で長時間待たせてしまう点も課題となっていたという。
保管期限を過ぎた落とし物は、ブックオフコーポレーション(神奈川県相模原市、以下:ブックオフ)が回収。国内外でのリユースやリサイクルを通じて再資源化を進める。これまでは保管スペースの制約などから、使用可能な物品も全て廃棄処分の対象となっていたという。
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