「AI社外取締役」爆誕へ 孫子の知識体系をプリセットした永遠の42歳、三谷産業のアドバイザーに
三谷産業は3日、バーチャルヒューマン「北斗泰山(ほくとたいざん)」が「AI社外取締役」候補に内定したと発表した。「孫子」にまつわる知識体系をプリセットした東洋思想の専門家だという。
三谷産業(石川県金沢市)は7月3日、バーチャルヒューマン制作を手掛けるAww Inc.(東京都渋谷区)と共同開発した「北斗泰山(ほくとたいざん)」が「AI社外取締役」候補に内定したと発表した。「孫子」にまつわる知識体系をプリセットした東洋思想の専門家だという。
北斗泰山氏は、立派な口ひげをたくわえた中年男性のバーチャルヒューマン。地元金沢市出身の42歳(永遠の42歳)で、さまざまなAI技術を用い、人間らしい振る舞いやしぐさができる。
6月中に三谷産業の「AI社外取締役」に就任する予定。もちろん“自然人”ではないため法的要件を満たす取締役としては扱われず、あくまでも助言や提言を行うアドバイザーという位置づけ。人間の認知限界を超えるパターン認識力と膨大なデータ処理能力を生かし、見落とされがちな盲点を発見する可能性も期待されている。
今後は孫子以外の諸子の古典哲学や倫理観などを加え、西洋的な思想様式との対比も踏まえ、現代の経営課題に応用できる独自の視座を持つようにアップデートしていく。一方で、取締役会以外の会議への出席や、地域住民や株主とのコミュニケーションの機会なども模索する。
三谷産業の三谷忠照社長は「一見すると荒唐無稽な企画のように思えることは社長として自覚していますし、初期の構想段階から企画に参加してきた私自身にとっても、いまだ荒唐無稽な企画であるとの印象は拭いきれておりません。当社が誤解や好奇の目にさらされるおそれも感じております」としながらも、「それを上回る新たな価値が創出できることを大いに期待しています」としている。
三谷産業グループは、1928年に石炭やコークスの販売会社として創業。現在は情報システムや住宅設備機器などに事業を拡大し、国内のみならずベトナムや中国にも拠点を持つ複合商社となった。近年はAI活用にも力を入れ、業務システムに応用できるAI利用の情報認識技術「Artificial Business Intelligence」などを開発している。
【訂正:7月3日17時30分 誤字修正、当初「孫氏」と書いておりましたが、「孫子」の誤りです。おわびして訂正いたします】
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