単焦点と動画に二極化した? コンデジの現在地:荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/4 ページ)
過去5年分の製品をみると、そのラインアップは面白いくらいに偏っていた。用途特化系や旧モデルの焼き直しを除くと、ほぼ2つのジャンルしか残らなかったのだ。
数カ月前、家人から「旅行へ行くのにコンデジが欲しいのだけど、何がいい?」と相談されたのである。彼女はちょっと前のミラーレス一眼を持っているのだが、常時首から提げて歩きたいのでとにかく小さくて軽いものという。ファインダーは不要、超望遠も不要だけど、多少は背景がボケてほしい。
これはまあ普通に1型センサーで明るめのズームレンズを持ったハイエンド機だな、最近コンパクトデジカメ(ここでは“レンズ一体型デジカメ”の総称とします。だからコンパクトじゃないやん、ってのも話に出てくるけどそこはつっこまないように)の新製品がけっこう出てるから、いくつか条件に合致するものがあるだろう、と調べてみると、それがないのである。
確かに様々なコンパクトデジカメが登場しているが、そのラインアップは面白いくらいに偏っていたのだ。
どう偏っていたか。あまりに古い機種は避けたいなと思って2020年9月から25年8月の5年分を調べてみると、古くからのニーズがある用途特化系(防塵防水耐衝撃系と超望遠ズーム系)や旧モデルの焼き直し(一部部材を新しくしたりUSB端子をUSB-Cにしたり)を除くと、ほぼ2つのジャンルしか残らなかったのだ。
単焦点レンズを搭載したハイエンドコンパクト
一つはなんと趣味性が強い単焦点カメラ。写真好き・カメラ好きのためのカメラ群といっていい。利便性を考えたらズームレンズは欲しいところだけど、そうじゃないのである作品性重視といっていいかも。
これが一番豊富なのである。ちょっと前まではリコーの「GR」か富士フイルムの「X100」かの2択(まあ、ライカもあるけど、それはそれでライカという独立したジャンルな気がするので別ものとする)だったのだけど、それが広がってるのだ。
しかも価格やセンサーサイズのバリエーションも多彩すぎる。面白いのでセンサーサイズ順で並べてみた。
GFX100 RFはラージフォーマットのGFXシリーズ初のレンズ一体型モデル。1億画素のセンサーに35mm(35mm判換算で28mm相当)の広角単焦点レンズを搭載。ダイヤルやレバーを駆使して色や露出を設定して作品を撮るのはすごく楽しいわけで、画質と操作感に全振りしたコンパクトカメラといっていいかと思う。
写真やカメラ好きのための1台だ。
- ソニー「RX1R III」(25年)
これの登場には驚いた。何しろ前モデルの「RX1R II」が2015年なので10年ぶりの復活なのだ。約6000万画素の35mmフルサイズセンサーに35mm F2のレンズを搭載したハイエンドの単焦点モデル。
これからレビューするので詳細はそのときに。
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