福岡市長「河川氾濫の虚偽投稿やめて」→事実だったと謝罪 「AIフェイクに過度の警戒心あった」と反省
福岡市の高島市長が、市内の香椎川(かしいがわ)が氾濫したと報告する市民のXへの投稿について、「虚偽情報はやめてください」と注意喚起したが、その後、氾濫は実際にあったことが分かったとして謝罪した。
福岡市内の香椎川(かしいがわ)が氾濫したと報告する市民のXへの投稿について、福岡市の高島宗一郎市長が「虚偽情報はやめてください」と注意喚起したが、その後、氾濫は実際にあったことが分かったとし、高島市長が8月11日、InstagramやFacebookに謝罪文を掲載した。
「AIフェイク動画やbotの増加に対する私自身の過度な警戒心も、今回の判断に影響した」と反省を述べている。投稿した本人にも連絡が取れ、謝罪したという。
市民の投稿があったのは10日。泥水で道が冠水し、クルマが水没する様子をとらえた動画に、「香椎川が氾濫!気を付けて」というテキストを添えたものだった。
だが当時、市職員の目視による現場を確認では氾濫は確認できず、近くの水位計でも氾濫を確認できなかったこと、市への氾濫情報の通報がなかったこと、投稿者アカウント自体がすぐ削除されたことなどから「投稿自体が誤情報の可能性が高い」と判断。
高島市長は11日、「大変迷惑な事案がありました。それはSNSの偽情報動画です。 『香椎川氾濫!気をつけて』という文章とともに、実際には起きていない氾濫映像が投稿されました」などとSNSに投稿。虚偽動画の投稿をやめるよう注意喚起した。
その後、担当局の職員から「偽情報と言い切れない可能性がある」との報告が入り、職員が改めて現場を確認したところ、映像に映っていた車両を発見。近くのフェンスにも流木や葉の跡が残っており、短時間だが川から水があふれた可能性が高いことが判明したという。
10日の目視で氾濫が確認できなかったのは、映像の撮影時間が職員の確認時間より約30分ずれており、確認時には氾濫が終わっていたためという。
市長の投稿は、削除までの4時間に多く閲覧・シェアされた他、新聞社サイトでも、「SNSに偽情報 福岡市長が批判」などと報じられた。
高島市長は、「災害時には冷静に情報の真偽を確かめることが重要で、その啓発を目的に投稿したはずの私の情報が誤っており、本当に情けなく、恥ずかしい限り」と反省。「市としても今回の判断を深く反省し、改善するとともに、今後はさらに複数の情報源による確認を徹底し再発防止に努める」と述べている。
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