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「鼻毛カッター」そのまま商品名にした理由とは? 「こういうのでいいんだよ」を形にし続けるXiaomiの商品戦略(3/4 ページ)

ライフスタイル商品を大幅に拡充しているXiaomi。6月には髭剃りや鼻毛カッターを発売して注目を集めた。その狙いと発表後の反響について、プロダクトプランニング本部の安達晃彦本部長に聞いた。

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──日本と中国で価格差はありますか?

安達氏:物によっては日本の方が安いものもあります。今の人民元のレートで換算すると、特に今回のパーソナルケアやデバイス系については、中国のXiaomiストアと比較しても、結構同等か日本の方が安いものも多いのが現状です。現地でお土産として買うのを躊躇するくらい、日本での価格はかなり頑張ったものになっています。

──ユーザーの製品への愛着について、どのように感じていますか?

安達氏:単なるロイヤリティとはちょっと違う感じがしています。「何が何でもXiaomi」という感じというよりも「ちょっと気になる商品がXiaomiから出てるんで、試しに使ってみようか」とか「ついでに他の商品も買ってみよう」という方が増えています。ただ、Xiaomiファンと呼ばれるみなさんからは「もっと新しい商品はないのか?」と言われ続けている状況で、それはとてもうれしく思っています。推しって、こんな感じなのかなあって。

──スマートフォン以外の製品を展開する意味は?

安達氏:スマートフォン大好きな人たちでもない限り、スマートフォンは数年に1回買うというのが普通の感覚だと思うんです。だからこそ、こういったパーソナルケア製品があることで、継続的にXiaomiとの接点を持っていただけます。お財布にも優しく、新しい体験や使い勝手の良さを提供しながら、Xiaomiとの関係を維持できるわけです。

──今後のラインアップ拡充についてはいかがですか?

安達氏:まだまだあります。先日、北京のXiaomiストアを回ってきましたが、細かく見ていくと日本にないもの、欲しいものがちょこちょこあります。まだまだラインアップは増やせると思います。また、大型家電のご要望もいただいています。ただ、そこは中国以外のグローバルではまだあまり展開していないのが現状なので、本当にまだまだこれからという感じです。

EVは?

──まだ日本に入ってきていない大きなものとしては車(EV)がありますよね

安達氏:車(EV)については非常に期待が大きいですが、日本でいつ? というのは、それこそ全く分からないです。ただ、中国では、最新の「YU7」というSUVタイプのモデルが6月末に発表されて、500万円程度の価格設定にも関わらず、3分間で20万台の予約が入り、最終的には1日で30万台弱という驚異的な数字になりました。特に20代、30代の女性の予約が多く、経済的な余裕が出てきた世代に支持されているのが特徴的です。ちなみに、中国ではけっこう標準装備なのですが、車内には冷蔵庫も搭載されていますし、Hyper OSが動いている16インチディスプレイでは、家庭内のIoT機器もコントロールできるなど、まさに移動する生活空間として設計されています。

「こういうのでいいんだよ、こういうので」を実現するXiaomi

 今回のインタビューを通じて感じたのは、改めてXiaomiの製品体験が「こういうのでいいんだよ、こういうので」という言葉に集約されるということ。それは決して妥協の産物ではないし、ハイブランドのように無理して買うものでもなく、かといって安いから我慢するというものでもない。本当に必要な機能を適切な価格で提供し、ユーザーが「そうそう、これこれ」と納得できる絶妙なバランスを追求しているのが、今のXiaomiという企業なのだと思う。

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