連載
「鼻毛カッター」そのまま商品名にした理由とは? 「こういうのでいいんだよ」を形にし続けるXiaomiの商品戦略(4/4 ページ)
ライフスタイル商品を大幅に拡充しているXiaomi。6月には髭剃りや鼻毛カッターを発売して注目を集めた。その狙いと発表後の反響について、プロダクトプランニング本部の安達晃彦本部長に聞いた。
その意味で印象的だったのは「必要なければスマートフォンに無理やりつながない」という設計姿勢だ。IoT化が進んでいく中でも、何でもスマート家電的にするのではなく、本当に付加価値になる場合のみスマートフォンとの連携機能を搭載する。この必要ないものはバッサリカットするという感じが、Xiaomiの製品に一貫性をもたらしているのだろう。
また、社員割引制度がないという話も象徴的だった。利益率5%制限という企業方針が単なるスローガンではなく、実際に徹底されていることを物語っている。
パーソナルケア製品群の展開も、単なる事業拡大ではなく「半径3m」の生活空間をトータルでサポートするという一貫したビジョンに基づいている。スマートフォンは数年に一度の買い替えだが、こうした日用品があることで、ユーザーとの継続的な接点を維持できる。これは長期的なブランド戦略として非常に理にかなっている。
Xiaomiの成功の理由は、最先端技術の追求や、圧倒的な低価格で語られることが多い。しかし、それだけではなく、ユーザーの等身大のニーズに応え「ちょうどいい」を実現しているからこそ、気づけば周辺がXiaomiのだらけということになっているのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ゲーミングチェアをサイバー音響空間に変える「COLO GCS」を体験 見た目はアレだが発想が素晴らしい
天井にスピーカーが埋め込めないなら、棒を伸ばしてその先に取り付ければいいじゃない。そんな“力業”でドルビーアトモスを手軽にした商品がクラファン実施中です。
あのエイベックスが配信全盛の時代に企画したDVDプレイヤーとは? クラファン実施中の「BRTNAP」を触ってみた
音楽レーベルを抱えるエイベックスが、配信全盛の時代に合うように企画したポータブルDVDプレイヤーが登場しました。現在、「GREEN」でクラウドファンディングを実施中の「BRTNAP」です。
iPad Proがモバイルゲームマシンに変身!? 11インチまで対応するRazerのゲーミングコントローラーを試した
ゲーム周辺機器メーカーのRazerから、新しいモバイルゲーミングコントローラー「Kishi V3 Pro XL」が登場しました。スマートフォンやタブレットに装着するコントローラーで、11インチ以上の大型タブレットまで対応できるのが特長です。
“紙のような質感”うたうタブレット「NXTPAPER 11 Plus」の実力は?
「まるで紙のような質感」というキャッチフレーズのAndroidタブレット「NXTPAPER 11 Plus」が登場します。実際に触ってみるとマットな表面処理の効果で、本当に紙に近い感触がありました。
「ポラロイドといえば」が詰まった新型インスタントカメラ「Polaroid Flip」 懐かしさの裏にある最新技術とは?
1980年代のポラロイドカメラを思わせるフリップ式の開閉機構を備えたインスタントカメラ「Polaroid Flip」が日本市場に登場しました。