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「Rolling Stone」発行元のPMC、Googleを提訴 「AIによる概要」でトラフィックが激減と主張

「Rolling Stone」や「Billboard」などを発行する米メディア大手PMCがGoogleを提訴した。「AIによる概要」でのコンテンツ無断利用によりWebサイトへのトラフィックが激減し、収益に損害が出たと主張。損害賠償や不当な行為の停止などを求めている。

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 「Rolling Stone」や「Billboard」などの発行元である米Penske Media Corporation(以下「PMC」)は9月12日(現地時間)、Google検索の「AI Overview」(日本では「AIによる概要」)による要約をめぐり、米Googleを提訴した。

 PMCは、Googleがその独占的な検索市場における優位性を乱用し、AI生成の回答にPMCのコンテンツを無断で使用することで、PMCのWebサイトへのトラフィックを不当に減少させていると主張している。

 PMCは、「The Hollywood Reporter」や「Rolling Stone」「Billboard」などを含む25以上のデジタルメディアを擁する大手メディア企業。その収益の大部分は、Webサイトへのトラフィックから得られるデジタル広告、アフィリエイトリンク、購読料に依存している。従来、PMCはGoogleが自社コンテンツをクロールして検索インデックスに登録することを許可する代わりに、検索結果からのトラフィックを得るという「基本的な取引」を行っていた。しかし、GoogleはAI関連製品のためにパブリッシャーのコンテンツを提供することを、検索インデックスへの登録の条件として強要しているとPMCは主張している。

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PMCのメディア一覧(画像:PMC)

 Googleが「AIによる概要」や「AIモード」などの生成AIツールを検索結果ページに導入したことで、ユーザーは検索クエリに対する回答をGoogleのページ上で直接得られるようになり、PMCのWebサイトにアクセスする必要がなくなったとPMCは主張する。これにより、「ゼロクリック検索」が増加し、PMCへのトラフィックは大幅に減少しているという。

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AIによる概要にはソース(この場合はPMCのメディアWWD)へのリンクが表示されていないという例(訴状より)

 訴状によると、2024年末までにアフィリエイト収入はピーク時から3分の1以上減少したという。また、GoogleがPMCのコンテンツをAIモデルのトレーニングや「グラウンディング」(リアルタイムの検索結果とLLMを連携させて回答を生成する技術)に無断で使用しており、PMCはこの「強制的な選択」を余儀なくされていると訴えている。

 PMCは裁判所に対し、Googleによる不公正な行為を停止させ、それによって生じた損害に対する金銭的な補償を求めている。具体的には、GoogleがPMCのコンテンツを無断で使用して「AIによる概要」などのAI製品を生成し、PMCのWebサイトへのトラフィックと収益を減少させているという主張に基づいて、損害賠償、不当に得た利益の返還、および原状回復を裁定するよう求めている。

 Googleの広報担当者は米Wall Street Journalに対し、「AIによる概要により、人々は検索をより便利だと感じ、より頻繁に利用することで、コンテンツを発見する新たな機会が生まれます。Googleは毎日、Web上の様々なサイトに数十億回のクリックを送信しており、AIによる概要は、より多様なWebサイトにトラフィックを送信しています。われわれは、こうした根拠のない主張に対して抗弁します」と述べた。

 メディア企業がAI関連企業を提訴するケースが増加している。それらについては記事末の「関連記事」を参照されたい。

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