「文學界」が“AI特集” 村田沙耶香氏や栗原聡氏、スクエニ三宅陽一郎氏の対談やインタビュー掲載
文藝春秋は、10月7日発売の文芸誌「文學界」11月号でAIを特集する。特集タイトルは「作家はAIと何を話すのか」。作家の村田沙耶香さんと、AI研究者で慶應義塾大学教授の栗原聡さんとの対談などを収録する。
文藝春秋は、10月7日発売の文芸誌「文學界」11月号でAIを特集する。特集タイトルは「作家はAIと何を話すのか」。作家の村田沙耶香さんと、AI研究者で慶應義塾大学教授の栗原聡さんとの対談や、19人の文筆家によるエッセイなどを収録する。
巻頭対談「村田沙耶香×栗原聡 AI倫理の先にあるもの」は、ChatGPTにさまざまな問いを投げかけているという村田さんが、栗原さんに“聞きたいこと”を問う内容。スクウェア・エニックスのゲームAI開発者である三宅陽一郎さんへのインタビュー「なぜ人はAIと話すのか」も掲載する。
この他、「19人の『あなたはAIと何を話していますか?』」では、羽田圭介さん、綿矢りささんなど19人の文筆家によるエッセイを掲載する。作家の古川真人さんと向坂くじらさんは“体験記”を寄せているという。
批評家・随筆家の北村匡平さんは自身のXで「生成AIと僕の奇妙な協働生活」と題したエッセイを寄稿したと紹介。「いかに文筆業という仕事にAIを取り込んでいるのかについての話になっています」という。作家の豊永浩平さんは、ChatGPTに青空文庫の夏目漱石のテキストを学習させ作り出した「AI漱石先生」との会話記録をエッセイとして寄せたと明かした。
同じくエッセイを寄稿した作家の大木芙沙子さんは、「最近chatGPTとしている遊びや、おしゃべり相手としてのAIについて思っていることなどを正直に書きました」(原文ママ)と投稿。体験記を寄せた作家の古川真人さんは「ジェミニと喋り、和合し、喪失した話です」と紹介した。
文學界は、1933年創刊の月刊文芸誌。文藝春秋の純文学部門を担う雑誌として知られ、55年からは故・石原慎太郎さんらを輩出した「文學界新人賞」も主催している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
芥川賞作家が「95%AIで書いた」小説、全プロンプトをWeb公開
芥川賞作家の九段理恵さんが「95%生成AIで書いた」という短編小説「影の雨」と、執筆に使ったというプロンプト全文が、博報堂が発行する雑誌「広告」のWebサイトで公開された。
OpenAIから“小説執筆AI”登場か? アルトマンCEOが開発を公表 AIが書いた短編小説の内容は
米OpenAIのサム・アルトマンCEOは、クリエイティブな文章を書くことに適した新たなAIモデルを開発したと、自身のX(@sama)に投稿した。リリース方法や時期は未定としているが、同AIモデルが書いた短編小説を公開している。
「視力を失った父に、AIを使わせてあげたい」 プログラミング未経験の娘が「季語ツール」を開発するまで
病気で突然、視力を失った父。娘は「何とかして父のやる気を取り戻してあげたい」と、バイブコーディングを始めた。
映画「岸辺露伴は動かない」劇伴制作元、AIの利用について声明 “1万6000文字超”で訴えた、AIを使う理由は?
作曲家・菊地成孔さんが率いる楽曲制作グループ「新音楽制作工房」は、生成AIの利用に関する声明を出した。同グループを巡っては、映画「岸辺露伴は動かない 懺悔室」の劇伴をAIを活用して制作。Xで賛否を巻き起こしていた。
星新一賞最終選考に残った「ほぼ全てをAIに書かせた小説」全文公開
文学賞「星新一賞」最終選考10作品に残ったAI小説「アルゴリズムの檻」の全文を、AI小説家の青野圭司さんが公開した。

