ソフトバンク、LINEヤフー・東大と新たな産学連携組織 AI研究の事業化を推進
東京大学とソフトバンク、LINEヤフーは、AI研究の成果を迅速に事業化するための新たな産学連携組織「Beyond AI技術研究組合」を9月19日に設立したと発表した。経済産業省のCIP(技術研究組合)制度を活用し、事業会社や新サービスの創出につなげる。
東京大学とソフトバンク、LINEヤフーは10月10日、AI研究の成果を迅速に事業化するための新たな産学連携組織「Beyond AI技術研究組合」を9月19日に設立したと発表した。経済産業省のCIP(技術研究組合)制度を活用し、事業会社や新サービスの創出につなげる。今後はAI技術の高度化や基盤技術開発、医療でのAI応用研究を進めるとしている。
3者は2020年に「Beyond AI研究推進機構」を設立し、共同研究のエコシステム構築を目指してきた。これまでに2つのCIPと、それに基づく2つの事業会社を設立したが、従来の制度では1つのCIPから1社しか設立できず、手続きが煩雑で時間がかかるという課題があった。
このため、2024年に経済産業省がCIP制度の運営ガイドラインを改正。今回設立されたBeyond AI技術研究組合は、1つの組織内で複数の研究プロジェクトを並行して運営し、それぞれの成果に応じて事業会社や新サービスを立ち上げることが可能なプラットフォーム型のCIPとなっている。
今後はAI技術の高度化や基盤技術の開発に加え、医療・ヘルスケア分野への応用研究を推進。ソフトバンクグループとも連携し、さまざまな産業領域のデータを活用した概念実証(PoC)にも取り組む。
複数のテーマを同時に進行できるプラットフォーム型CIPの特長を生かし、研究から事業化への流れを加速させる狙いだ。研究テーマ間の連携による新事業の創出も期待するとしており、将来的には他大学や企業の参加も得て、AI研究の事業化を進めるプラットフォームとして発展を目指すとしている。
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