デジカメのバッテリーが膨らんだ!? 普段から気をつけたいポイントと正しい処分方法とは:荻窪圭のデジカメレビュープラス(2/3 ページ)
酷暑の夏は終わったけれども、この夏に多発して大きな話題になったものといえばリチウムイオン充電池の発火・爆発事故だろう。リチウムイオン充電池が苦手とする暑さが半端なかった。
なかなか出てこないバッテリーの怖さ
オールドコンデジの記事を書いたとき、古いカメラを復活させようと片っ端から充電したことがある。
その中で、バッテリーを出そうとしたら固くて出てこないものが何台かあった。カバーをあけてロックを解除すればバネでぴょんと顔を出すはずなのに出てこない。逆さに振っても出てこない。爪をひっかけて無理に引き抜こうとするとやたら固い。
苦労して「ふんぬ」と引っ張り出すと……中央部がちょっと膨らんでた。固かったはずである。
さすがに本体をゆがめるほど大きく膨らんだわけじゃないのでほっとしている。
もう一つ、例を挙げたい。
これも古いコンデジを復活させようとしたときの話。
バッテリーを充電しようと充電器にセットしようとするが、うまくはまらない。
充電器を間違えたかなと思ったら、バッテリーの中央部がちょっと膨らんでいたせいだったのだ。平らな場所においたら、両端がちょっと浮いてた。これはあぶない。
2020年9月にはデジカメ用のバッテリーが充電中に火災を起こしたことが重大事故として報告されているので他人事ではないのだ。
今夏、特に話題になったのがモバイルバッテリーの発火や爆発事故だったのでそちらが注目されているが、リチウムイオン充電池を利用したあらゆる……特に酷暑の屋外でも人体に近いところで使われるもの(イヤフォンとかスマートウォッチとか)や、真夏に無造作に扱われがちなもの(ハンディファン)、過酷な環境で使われることが多いもの(電動アシスト自転車のバッテリーなど)なども注意を払いたいところ。
電動アシスト自転車なんか、毎日の様に炎天下でも雨天下でもバッテリーを駆使しているのに発火事故が少ないのは偉いもんだと思う。もっともヤマハやパナソニックからバッテリーのリコールが出ていたり、互換バッテリーの発火事故があったりするので油断はできない。
デジタルカメラでもUSBを使った本体内充電が主流の今、バッテリーは入れっぱなしという人も多かろう。予備バッテリーを持つ代わりに、撮影の合間にモバイルバッテリーからUSB充電して賄うケースも増えているわけで、バッテリーはときどき取りだしてチェックしてみるべきである。ボディ内で充電しているとバッテリーが膨張し始めても気づきずらいからね。
猛暑の夏を越えたからといって安心せず、特に古くから使っているカメラのバッテリーはマメにチェックしましょう。
日本のカメラメーカーはJBRCに加盟している
そして大事なのは、不要になったバッテリーの処分。
日本では「リチウムイオン充電池」の処分は「JBRC」という一般社団法人が行っている。小型充電池メーカーや電池の使用機器メーカー、輸入事業者などが小型充電式電池の回収・再資源化を行うために設立された団体だ。
ここはJBRC加盟メーカーのもののみを回収しているが、日本のカメラメーカーはみな加盟しているので、メーカー純正バッテリーを処分したいときは家電量販店や一部の自治体に設置されたJBRCの回収ボックスに入れるのが王道。わたしは近所の大手家電量販店へ持って行っている。
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