デジカメのバッテリーが膨らんだ!? 普段から気をつけたいポイントと正しい処分方法とは:荻窪圭のデジカメレビュープラス(3/3 ページ)
酷暑の夏は終わったけれども、この夏に多発して大きな話題になったものといえばリチウムイオン充電池の発火・爆発事故だろう。リチウムイオン充電池が苦手とする暑さが半端なかった。
ただ、もともと資源リサイクルのための団体でもあり、膨張したバッテリーは受け付けない、JRBC未加盟団体のバッテリーはだめ、というのはある。
では、ややこしいことになって処分に困ったバッテリーはどうするのか。今まで統一された手順がなかったので多くの人が困っていたのである。でも発火事故が相次いで損害が多大になってきたので、行政が動いた。
今年4月、環境省が「市町村におけるリチウム蓄電池等の適正処理に関する方針と対策について」という通知を出したのである。
リチウムイオン充電池の処理に関してはJBRCなどいくつかの業界団体が対応しているが、製品ジャンルによって分かれていて(例えば小型家電や携帯電話はまた別になる)一般の人にはわかりづらく、どの団体へも頼れないケースが多々あり(安価な輸入品など)、事故の急増を考えると自治体が最終的な受け皿になるしかないという状況なのだ。
でも23年時点でリチウムイオン充電池の分別回収を行っていた市町村は全体の75%にとどまっており、それ以外の自治体に住んでいる人の手にどう手放せばいいか分からないリチウムイオン充電池がたまりかねなかったのである。おそろしや。
残り25%がいつ対応するのか、具体的にはどう処分してもらえばいいのか。
例えば、東京23区でも対応はバラバラ。わたしが住んでいる世田谷区はリチウムイオン充電池の回収をまったく行わず、業者や関連団体まかせにしていた。だが、環境省の通知を受けてか、10月から回収を始めると発表したのである。
よかったよかった。
回収の方法や手順やルールは自治体によって異なるので住んでいる自治体のWebサイトで確認してほしい。
世田谷区の場合は、ショートしないように端子を絶縁し、充電式電池と書いた袋に入れて出すことになっている。膨張したものなど危険がある場合は、直接区内に6カ所ある窓口へ持っていく。
自治体にとっては大変だろうが、リチウムイオン充電池やそれを内蔵する機器を処分するときの最終的な受け皿が用意されたのはユーザーにとってもありがたいので、皆さまも住んでいる自治体のルールに応じて、不要となったリチウムイオン充電池内蔵機器やヤバいリチウムイオン充電池を正しく処分していただければと思う。
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