VTuberのぬいぐるみ、ロケットで宇宙へ……実は“こうじ”や酵母も H3がソラへ運ぶものたち
JAXAが10月26日に打ち上げに成功したH3ロケット7号機。国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ新型補給機「HTV−X」1号機を搭載しており、今後、油井亀美也飛行士がロボットアームを使い、ISSとドッキングさせる見込みだ。HTV−X1号機は実験機器や食品を積んでいるが、中にはちょっと変わったものも。例えば──。
JAXAが10月26日に打ち上げに成功したH3ロケット7号機。国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ新型補給機「HTV−X」1号機を搭載しており、今後、油井亀美也飛行士がロボットアームを使い、ISSとドッキングさせる見込みだ。HTV−X1号機は実験機器や食品を積んでいるが、中にはちょっと変わったものも。例えば──VTuberのぬいぐるみだ。
ぬいぐるみを宇宙に送ったのは、宇宙系Webメディアを手掛けるsorae(神奈川県川崎市)、ロケット開発を推進するChart(埼玉県川越市)、イベント企画などを手掛けるふわころもち(東京都八王子市)だ。
3社は3月、ISSにある日本実験棟「きぼう」の有償利用制度を使ってVTuberのぬいぐるみやアクリルパネルを持ち込み、現地で写真・動画撮影やライブ配信を行う「推し宙(おしそら)スペースライブ」を発表。新しい“推し活”の形を創出するとして、10月26日までに複数回のクラウドファンディングで約1100万円の資金を集めた。ゲーミングモニターなどを手掛ける米Pixioの日本法人などスポンサーもついている。
持ち込む物品は80点超。ロケットに関する情報を発信する宇推くりあさんをはじめとした、推し宙スペースライブのナビゲーターを務めるVTuber4人のぬいぐるみと、3社が推薦したVTuberやスポンサーのロゴが描かれたアクリルパネル数十点などを運び込む予定だ。参加しているVTuberのリストは以下の通り。
27日時点で、HTV−X1号機は無事に予定した軌道に投入されている。30日にISSに到着し、同日夜にドッキングが完了する見込みだ。その後、2026年上半期をめどにぬいぐるみやアクリルパネルを使ったライブ配信や写真・動画撮影を予定している。ぬいぐるみやアクリルパネルは撮影の終了後、地球に持ち帰るという。
ちなみに、きぼうの有償利用制度を使って輸送している民間の貨物は他にもある。獺祭は三菱重工業と開発した宇宙用の醸造装置や米、こうじ、酵母を輸送。宇宙で清酒の材料を作るプロジェクトを実施する。
他にも、日本航空がキャンペーン当選者の名前が記されたアルバムをISSに輸送。アルバムが微小重力環境で浮遊する様子を撮影し、地球への帰還後に当選者に郵送する取り組みを行う予定だ。
従来の補給機「こうのとり」に比べて物資の搭載量が増えた他、電源が必要な装置にも対応可能になるなど輸送能力が増したHTV−X1号機。ISSからの離脱後も、超小型衛星の射出など3つの技術実証に使われる。一連のプロジェクトが成功するか、今後の動向が見物だ。
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