「座って移動できる4脚ロボ」に「車いすのランクル」──トヨタがコンセプトモデル公開 実物を見てきた
トヨタが人が座った状態で移動できる4脚ロボット「walk me」や、2輪電動モビリティ「boost me」、ホイールを大型化し、オフロードタイヤを搭載した電動車いす「challenge me」といったコンセプトモデルを展示。実物を見てきた。
自動車メーカー各社の最新モデルやコンセプトモデルが集まる「Japan Mobility Show 2025」(10月30日〜11月9日、東京ビッグサイト)。2023年にイベント名を「東京モーターショー」から現行のものに改めたこともあって、パーソナルモビリティーや、同様の機能を持ったロボットの展示も散見される。
自動車大手のトヨタ自動車も例に漏れず、人が座った状態で移動できる4脚ロボット「walk me」や、2輪電動モビリティ「boost me」、ホイールを大型化し、オフロードタイヤを搭載した電動車いす「challenge me」といったコンセプトモデルを「me x」シリーズとして展示していた。いずれも、障害者と健常者の両方が使えるモビリティーとして開発しているものという。
4脚のパーソナルモビリティーロボ「walk me」
walk meは、座面にカニやクモのような脚がついた見た目をした移動用4脚ロボットのコンセプトモデル。日常的な移動での利用を想定しており、車いすで乗り越えられないような段差のある場所でも使えるのが特徴という。脚を円盤状にたたむことも可能だ。
会場では、人は乗せなかったものの脚をたたんだ状態から立ち上がり、そこから実際に平地を歩行したり、旋回したりする様子を披露。デモでは遠隔操作だったが、今後はひじ掛け部分にあるジョイスティックなど搭乗者自身での操縦を検討するという。
スポーツ利用を想定「boost me」
boost meは、いわゆるバランススクーターに「く」の字状のフレームと座面がついた形状の電動2輪パーソナルモビリティー。主にテニスやバスケットボールなど、スポーツでの利用を想定。展示時点では実現していないが、乗り手が重心移動で操縦できるようにしたいという。会場では、くの字状のフレームを動かすデモを披露した。
「車いすのランクル」うたう「challenge me」
challenge meは大きなオフロードタイヤや方向指示器を備えたスポーティな外見の電動車いす。水場や泥地などでも動かせるよう、ひじ掛け部分に後ろからバッテリーを挿入する形にするなど、電気系統などをなるべく車体の上部に配置したという。
さらに、車体後部のパーツを展開し、車体の支持点にすることも可能。これにより段差のある道での安定性を高められるという。一連の機能から「車いすのランドクルーザー」をうたい、渓流での釣りや山登りなどでの利用を想定。会場では指示器を光らせるデモを披露した。
いずれもコンセプトモデルのため、詳細なスペックなどは公開していない。今後はJapan Mobility Show 2025での反響やフィードバックを踏まえて、製品化を視野に開発や検証を進める。
ちなみに、トヨタはwalk me以外にも「chibibo」という4脚ロボのコンセプトモデルを展示している。個人の移動を想定したwalk meに対し、chibiboは荷物の配送を想定。天面に段ボールを乗せることができ、輸送車から玄関までの“ラストワンマイル”の配送に使うイメージという。30日までのプレスデーでは動かない状態での展示だったが、31日以降の一般公開日からは、動作デモも披露する予定だ。
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