あるVTuber事務所が倒産発表 原因は社長の“会社資金の私的流用”
VTuber事務所「Vivid V」を経営していたLinkUpは、倒産手続きを始めると発表した。同社の西口昇太朗代表が会社資金の私的流用を繰り返し、会社の資金繰りを圧迫したことなどが原因。
VTuber事務所「Vivid V」を経営していたLinkUp(東京都千代田区)は11月5日、倒産手続きを始めると発表した。同社の西口昇太朗代表が会社資金の私的流用を繰り返し、会社の資金繰りを圧迫したことなどが原因。倒産を受け、所属タレントのマネジメント契約も順次解除していく。
Vivid Vでは、所属VTuberによるライブイベントのグッズを発売。しかし、グッズの発送遅延・未発送があり、8月にはそれらを謝罪していた。この他にも、資金を集めたあとに中止を発表したクラウドファンディングの返金対応の遅延や、取引先への支払い遅延など複数の問題が発生していた。
西口代表は「これら全ての事態は、ひとえに代表である私の経営者としての認識の甘さ、そして怠慢が招いた結果」と説明。経営難の最大の要因は自身にあり、会社資金を私的流用を行っていたと告白した。
「経費として認められない私的な支出を会社の資金で行うという公私混同を重ね、会社の資金繰りを著しく圧迫した。これは断じて許される行為ではなく、弁解の余地もない。現在、弁護士・税理士などの第三者と協議を進め、私的流用の金額を客観的根拠に基づき確定し、私個人の責任として今後の弁済に充てるべく手続きを進めている」(西口代表)
また西口代表は、会社に確認せず、所属タレントに対してスタッフとしての雇用を打診。しかし、会社の資金繰りに危機を感じたため雇用契約前にそれを中止した。その際、打診したタレントとの関係性の悪化を恐れ、本人への説明や謝罪を怠ったという。
さらに、8月に開催した事務所の1周年を記念したリアルイベントも経営を圧迫した。西口代表は「ずさんな収支計画のまま当日を迎え、過剰な発注を行った他、適切な受注・発送フローを確立しないまま後日発送や追加発注を請け負った」と説明。結果、大幅な損失を上げ、資金繰りが悪化。イベント関連グッズの未発送などの事態を引き起こした。
現在、LinkUpでは破産手続きを進めており、今後の手続きなどは順次発表していく予定。
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