「スマートロッカーが開かない」──深夜の大阪駅で何が起きた? 通信障害の原因とユーザーが取るべき行動、運営元に聞いた(1/2 ページ)
キャッシュレス式の“コインロッカー”が通信障害で開けられなかった――Xでこんなエピソードが注目を集めた。該当のロッカーを展開するSPACER(東京都中央区)にトラブルの経緯と、もしものときにユーザーが取るべき対応について聞いた。
キャッシュレス式の“コインロッカー”から荷物を取り出そうとしたところ、通信障害で開けられず、JR大阪駅に荷物を置いて帰宅せざるを得なかった――11月24日未明にXに投稿された、そんなエピソードが注目を集めた。投稿者は、コールセンターの対応時間外だったこと、東京行きの終電が5分後に迫っていたことなどから荷物の回収を断念。荷物は後日、郵送で受け取ったという。
騒動の中心になったのは、SPACER(東京都中央区)が展開する完全キャッシュレス仕様のスマートロッカーだ。交通系ICカードまたはiOS/Androidアプリを“鍵”として支払い・預け入れ・受け取りができる他、アプリで会員登録を行えば、空きロッカーの検索や事前予約、他の会員への“鍵”の共有にも対応する。
昨今、こうしたスマートロッカーはもはや珍しくない。同様の事態に遭遇したとき、利用者はどう対応すべきか。トラブルの経緯と、もしものときにユーザーが取るべき対応について、同社に聞いた。
同社によると、今回の通信障害はJR大阪駅構内の半径200m程度の範囲で発生。これにより、構内6カ所に設置されている同社のロッカーのうち「南口」「御堂筋北口」と、商業施設「ルクア大阪」の3カ所のロッカーが開かなくなった。11月23日午後9時ごろから「ロッカーが開かない」との問い合わせがコールセンターに相次ぎ、事態が発覚。最終的に問い合わせは31件に上ったという。
同社のロッカーには、イスラエルNayax製の決済端末(タッチパネル)が取り付けられている。ロッカーの仕様上、扉の遠隔操作などを行う本体側と、決済を行う端末側で、それぞれ異なる通信回線(SIM)を使用しており、本体側のSIMはSPACER社が、決済用のSIMはNayax社がそれぞれ調達している。
今回はこのうち、決済端末と決済用サーバ間の通信が不通となったことが、トラブルの原因だったとSPACERはみている。同社が管轄する本体側の通信は維持されていたものの、決済側の通信が途絶。同ロッカーではロック解除時に支払いが必要だが、その処理ができなかった形だ。
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