「スマートロッカーが開かない」──深夜の大阪駅で何が起きた? 通信障害の原因とユーザーが取るべき行動、運営元に聞いた(2/2 ページ)
キャッシュレス式の“コインロッカー”が通信障害で開けられなかった――Xでこんなエピソードが注目を集めた。該当のロッカーを展開するSPACER(東京都中央区)にトラブルの経緯と、もしものときにユーザーが取るべき対応について聞いた。
SPACERは、コールセンターに連絡した利用者のうちロッカー付近にいた人には、遠隔から無償で解錠する形で対応。すでに現場を離れていた人には、後日無償で荷物を郵送する対応を取った。コールセンターは午後11時に受付を終了したが、その後も現地の3カ所には同社スタッフが待機し、終電がある0時ごろまで利用者対応にあたった。撤収時点で使用中のまま残っていたロッカーは4扉だったという。
なお、冒頭の投稿者が東京への移動に使った「終電」とは新幹線ではなく、0時30分ごろにJR大阪駅を発着する寝台特急列車だったようだ。投稿によれば、投稿者は乗車の20分前に荷物を回収しようと改札前のコインロッカーに到着したというものの、この時間にはすでに同社の現地対応は終了していたとみられる。
通信障害は24日午前3時ごろに復旧した。トラブルの原因について同社は、「決済端末に使用していたSIMカードが特定の周波数帯にしか対応しておらず、通信が混雑した際に周波数切替によって通信を安定させることが難しい仕様だった」と説明。「ちょうどその周波数帯が逼迫(ひっぱく)していた可能性が高い」としている。
このような事態に遭遇した場合、ユーザーはどう対処すればよいのか。同社は「現状では、コールセンターあてにお問い合わせいただく以外に手段がない」と話す。一方で、通信の安定性を高めるため「今週中をめどに全国のスマートロッカーに搭載しているSIMカードを、より広い周波数帯に対応したものへ交換する」予定という。
この他、他のシステムに依存せずにロッカーが単独でも機能するスタンドアロン対応を進めると同社。決済端末の決済通信が制御不能になった場合に、ロッカー単体でも該当の扉を無償で解錠可能とする機能を近いうちに追加し、「不便なく使えるサービス環境を提供する」としている。
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