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コンデジ復活の象徴、キヤノン「IXY 650m」に触れて改めて思う“スマホでは味わえない楽しさ”とは?(2/3 ページ)

一度は「終わった」とさえいわれたコンデジ市場に、再び活気が戻りつつあります。今回はキヤノンの「IXY 650m」を実際に手に取り、その秘められた魅力と、スマホでは味わいにくい「写真の楽しさ」をお届けします。

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持った瞬間に分かるコンデジらしさ

 実際にIXY 650mを手に取って感じた第一印象は、「とにかく小さい、そして軽い」という驚きでした。箱の小ささにも驚きましたが、本体を手に取ると、その感覚はさらに強まります。


製品を箱から取り出した瞬間。その小ささと軽さが新鮮に感じる

 約146gという質量は、最新のスマホよりも軽く、ポケットや小さなバッグに忍ばせても全く気になりません。この「持っていることを忘れる」ほどの軽快さこそ、コンデジが本来持っていた魅力の一つです。縦型のデザインはホールド感も良く、片手での撮影も実にスムーズ。タッチパネル非搭載という点は、現代のスマホに慣れた身からすると一瞬戸惑うかもしれませんが、物理ボタンによる確実な操作感は、写真を「撮る」という行為に集中させてくれます。


軽さだけではなく、手の中にすっぽり入る小ささが魅力

記録メディアはSDカードからmicroSDカードに変更されている

スマホには真似できない「ぐーんとズーム」という純粋な楽しさ

 IXY 650mがスマートフォンのカメラに対して持つ最大の武器、それは何といっても光学12倍ズームです。ハイエンドスマホでは光学望遠対応のものも増えてはいるものの、まだまだ主流とはいえません。スマートフォンのデジタルズームが画像処理の結果であるのに対し、光学ズームはレンズそのものを動かして被写体に迫るため、画質の劣化がほとんどありません。

 この「ズームできる」という感覚は、スマホに慣れ切った今となっては、実に懐かしく、そして新鮮です。遠くの看板の文字を読んだり、見えていなかったものが見えるようになる。何気ない日常の風景が、ズーム一つで全く新しい世界に変わる。この感覚は、スマホのカメラでは決して味わうことのできない、純粋な写真の楽しさを再発見させてくれます。なにより、撮影時にデジカメ(のレンズ)が稼働する音とともに手元にぐーんと画像がやってくる感じって、やっぱり楽しいのです。

 そして、IXY 650mの小さいボディに搭載されているズームは、光学12倍ズームなのです。実際に撮影した写真で、その威力を見てみましょう。ここ何年も工事が続いている渋谷の駅前、12倍ズームの威力を発揮するには最適な場所です。


広角側(25mm相当)で撮影。ビル全体が写っているが、屋上の細部は判別しづらい

望遠側(300mm相当、光学12倍ズーム)で撮影。屋上にいる人々やディテールや窓の反射まで鮮明に捉えることができる

 このように、光学12倍ズームを使えば、遠くの被写体を大きく引き寄せることができます。一般的なスマホのデジタルズームでは、ここまで鮮明に撮影することはむずかしいです。この「遠くのものを、美しく、大きく撮る」という体験こそが、IXY 650mの最大の魅力なのです。

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