BYDだけじゃない、日本メーカーもEV続々――ジャパンモビリティショーで見た、攻めたクルマたち:走るガジェット「Tesla」に乗ってます(2/3 ページ)
10月末に開催された「Japan Mobility Show 2025」。筆者が会場を訪れて感じたのは、前回2023年と比べて国産メーカーのEVへの本気度が格段に上がっていることだ。中国BYDの軽EV市場参入、スバルの本格派ステーションワゴンEV、シャープの攻めたコンセプトカーまで、印象に残ったクルマを写真とともに紹介する。
国民車であるカローラーが流麗なフォルムで登場!?
トヨタのブースで目を引いたのは「Corolla Concept」と銘打たれたこのクルマです。その名が示す通り、カローラシリーズの次世代像を示すものとして発表されました。4ドアセダンながら、現行プリウスも真っ青の全体に低くワイドなボディと流麗なルーフラインが印象的です。ただ、EV専用ではなく、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、EVという複数の動力源を予定しているようで、マルチパスウェイを標榜するトヨタらしいクルマになりそうです。
職人さん達の強い味方、ハイエースも未来的に変身
働くクルマとして人気の高いハイエースですが、こちらもカローラ同様「コンセプト」という形で次世代版が展示されていました。現行のハイエースと同様に、あくまでもガソリンエンジンを動力源とするようですが、仮に前出のカローラ同様マルチプラットフォーム仕様によりEV版が登場したらまた別の魅力を振りまきそうです。
それにしてもカッコイイ。Bピラーを取り払ったピラーレス構造の大開口部は、物流だけでなく、キャンピングカーのベースモデル、医療関係、福祉車両などあらゆる用途で大活躍しそうな予感です。
「CENTURY」というブランドを新創設
センチュリーというと、皇室の特別車両である「御料車」を思い浮かべます。つまり、従来はショーファードリブンが前提の1モデルでした。しかし、トヨタは「CENTURY」をブランド化して新たな方向性を打ち出してきました。
写真をご覧頂くとわかるように、クーペ型のコンセプトモデルをラインアップするなど、セダンオンリーだった従来とは異なり、レクサスの上位に位置するブランド戦略を展開するようです。
余談ですが、筆者は、センチュリーに忘れがたい思い出があります。トヨタ系列販社の役員の葬儀において、受付を拝命したときのことです。場内整理に駆り出された販社の社員が参列者の車を誘導する様を受付から見ていました。駐車スペースが限られており、社員達は、参列者の車種を見て、玄関の車寄せまで誘導するか、離れた駐車場に向かわせるかなどを判断していました。
当然、センチュリーは、無条件で葬儀場の車寄せまで誘導してもらえます。一方、クラウンは、駐車場には入れますが、車寄せとは離れた位置に誘導されます。そして、マークIIやカローラクラスは駐車場の外です。日本企業のヒエラルキー構造の縮図を見た気がして、実に貴重な体験でした。
ちなみに、筆者はその当時、シトロエンに乗っており、受付ということもあり少し早めに式場に到着したのですが、誘導の社員は、シトロエンという未知(たぶん)のクルマをどのように扱っていいのかわからず、煮え切らない態度を示しました。
「受付担当です。駐車場に入りますね」と宣言して受付に近い区画に停めたのは、今となっては、いい思い出です。
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