現実世界で動き始めたAI――自動運転にロボット、「フィジカルAI」に突き進むNVIDIAのビジョン:CES 2026(3/3 ページ)
米ラスベガスで開催中の「CES 2026」。米NVIDIAが1月5日(現地時間)に行った基調講演では、ジェンスン・フアンCEOが登壇。次世代AIスパコン「Vera Rubin」と、推論で思考を語ることができる自動運転AI「Alpamayo」を発表。AIが現実世界に浸透する未来像を示した。
なぜAI産業に莫大な資金が集まるのか
生成AIの登場で、現在のコンピューティングは新たな過渡期にある。「コンピューティングは10年から15年ごとリセットが起こる」と、メインフレームからPC、インターネット、モバイルと移り変わっていったのに加え、現在は2つのシフトが同時に発生しているとフアンCEOは語る。プラットフォームだけでなく、アプリケーションはAIの上に走るようになり、ソフトウェアの実装方法もプログラミングからトレーニング(学習)に代わるという。
一方で、それを走らせるには膨大な計算リソースが求められるようになった。OpenAIの「o1」から導入されたテストタイムスケーリングにより、モデルの規模は毎年10倍、生成トークン数は毎年5倍に増加しているという。また、AIエージェントの登場で、複雑なタスクを段階的に推論するようになり、必要なトークン数は飛躍的に増加する。「推論は今や一発回答ではなく、思考プロセスになった」(フアンCEO)。
こうしたAI技術を支えるのが、AIスーパーコンピュータの最新世代「Vera Rubin」だ。CPU「Vera」、GPU「Rubin」、ネットワークチップなど6種類の半導体を同時に再設計しており、搭載トランジスタ数を1.6倍に抑えつつ、前世代Blackwellと比較して推論性能5倍、学習性能3.5倍を実現した。「ムーアの法則が減速する中で、毎年10倍のモデル拡大に追いつくには『極限の協調設計(Extreme Co-design)』しかなかった」とVera Rubinの設計思想について語った。
フアンCEOは、懸念されるようになった「AIバブル」に触れることはなかったものの、AI産業に集まってくる莫大な資金について1つの見解を示した。
「アクセラレーテッド・コンピューティングと人工知能の結果として、コンピューティングは根本的に作り変えられました。5層のケーキのすべての層(ハードウェア、チップ、インフラ、モデル、アプリケーション)が再発明されているのです。これは、過去10年間のコンピューティングにおける約10兆ドル相当の資産が、この新しいコンピューティング手法へと近代化されていることを意味します。毎年数千億ドルのVC資金がこの新しい世界の近代化と発明に投じられ、100兆ドル規模の産業において、R&D予算の数パーセントが人工知能へとシフトしています」
「人々は『その資金はどこから来るのか?』と尋ねますが、これがその答えです。ITのAI化、そして従来の手法から人工知能の手法へのR&D予算の移行です。この産業には莫大な投資が行われており、それが私たちがこれほど忙しい理由でもあります」
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