アトム法律事務所は1月13日、仮想通貨マイニングツール「Coinhive」を設置したWebサイト運営者をめぐる判例解説ブログで、実際は最高裁で逆転無罪だったにもかかわらず「有罪確定」と誤って記載していたと認め、記事を訂正して謝罪文を出した。
事件は、「Coinhive」を閲覧者に無断で自身のWebサイトに設置したとして、Webデザイナーのモロさんが不正指令電磁的記録保管罪に問われたもの。一審は無罪だったが二審で罰金10万円の有罪に。最高裁で2022年1月、逆転無罪判決が言い渡され、無罪が確定した。
事務所は記事で「有罪確定」と誤記載したことについて、「高裁判決の資料を参照し、上告審での確定判決を確認せず記事化してしまった」と釈明。被告だったWebデザイナーのモロさんも、記事訂正について連絡を受けたという。
アトム法律事務所は「編集部のチェック体制に重大な不備があった」と認め、今後は事実確認を徹底するとしている。
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