自動車メーカーなのに“車の存在感ゼロ”――「ロボット」に全振りした韓国ヒョンデ:CES 2026(3/3 ページ)
米ラスベガスで開催された「CES」で最も話題をさらったものといえば、米Boston Dynamicsの二足歩行ロボット「Atlas」だろう。基調講演で披露された滑らかで人間離れした動きはSNSを中心に大きな反響を呼んだ。そのAtlasを見ようと親会社であるHyundaiのブースを訪ねた。そこで目にしたのは、自動車メーカーなのに車が主役じゃない異様なブースだった。
モビリティとロボットの会社に
Hyundaiブース全体を通じて感じたのは、同社がもはや自動車メーカーではなく、モビリティとロボティクスの会社に拡張しようとしている点だ。
HyundaiはAIロボティクスを事業の柱の1つに位置付けており、自社工場だけでなくRaaS(Robotics as a Service)という形で外部にも展開する。これは、ロボット本体を販売するのではなくサービスとして提供し、ハードウェアの提供から保守、ソフトウェアの無線更新、リモート監視までをワンストップで担う。実環境で得られたデータを活用した継続的な性能改善も含まれる。
同社によると、ドイツDHL、スイスNestle、海運大手のデンマークMaerskといったグローバル企業がRaaSを導入しており、Hyundaiは長期的なオペレーションパートナーとして実用的なロボティクスの導入を支援するとしている。Atlasといった二足歩行ロボも将来的にRaaSに加わることになるだろう。
自動車メーカーがロボティクスを志すのは米Teslaの「Optimus」が象徴的だが、Boston Dynamicsを引っ提げHyundaiもその道に進もうとしている。今年のCESには、Hyundai以外の自動車メーカーだとBMWやSony Honda、中国のGEELYなどが出展していたが、新車を披露するのではなくロボットを主役に置いたHyundaiのブースは、自動車メーカーからの脱皮を印象付けるものとなった。
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