アルテミスII、地球帰還の一部始終 YouTubeでは320万人超が見守る
アメリカ東部時間の10日午後8時07分、NASAの有人月探査プロジェクト「アルテミスII」の宇宙船「オリオン」が、月周回ミッションを終えて地球に帰還した。乗員が姿を見せると管制室は拍手に包まれた。
アメリカ東部時間の10日午後8時07分(日本は11日午前9時過ぎ)、NASAの有人月探査プロジェクト「アルテミスII」の宇宙船「オリオン」が、月周回ミッションを終えて地球に帰還した。その模様は、NetflixやHBO Maxなど多くのプラットフォームでライブ配信され、NASA公式のYouTubeライブ「NASA’s Artemis II Crew Comes Home」は、一時320万人以上の同時接続を記録した。
午後7時33分、オリオン宇宙船は4人の宇宙飛行士を乗せた「乗員モジュール」を分離し、その20分後に地上約121kmの上空で地球の大気圏に突入した。この時の速度は音速の約35倍だった。
午後8時前には約6分間のブラックアウト(通信途絶状態)もあった。通信が復帰した後、高度7kmで2つの小さな減速用パラシュートが開き、高度1.6kmでさらに3つのメインパラシュートを開いた。これにより乗員モジュールの落下速度は毎秒61m以下にまで下がった。
そして10日午後8時07分、カプセルは無事にサンディエゴ沖の太平洋に着水。この時、YouTubeのライブ配信は312万人超が視聴し、コメント欄には世界中の言語で祝福の言葉があふれた。
しばらくして海上の乗員モジュールに複数のボートやヘリコプターが近づいたが、4人の宇宙飛行士の姿は見えない。乗員モジュールは電源を落として救助を待つ間、NASAの研究者たちは複数の追加テストを実施していた。
乗員モジュールの扉が開き、宇宙飛行士達が姿を見せたのは約1時間後(日本時間の午前10時過ぎ)で、管制室は拍手に包まれた。彼らはこの後、米空母ジョン・P・マーサに移送され、健康診断を受ける予定だ。
4月1日に米国フロリダ州のケネディ宇宙センターから大型ロケット「SLS」で打ち上げられたオリオン宇宙船は、4人の宇宙飛行士を乗せて予定通り月に接近。6日には予定通り“月フライバイ”(接近通過)に成功し、地球からの距離が史上最も遠い約40万6770kmに到達した。1970年にアポロ13号が記録した約40万170kmを更新した。
約10日間のミッションでオリオン宇宙船は貴重な映像やデータを地球に送り続けた。それらの一部はNASAのWebサイトなどで誰でも見ることができる。
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