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「手ぶらVlog」の魅力 DJI最小カメラ「Osmo Nano」を試してわかったこと(2/2 ページ)

去年9月に発売されたDJIのアクションカム「Osmo Nano」。この手のウェアラブルカメラはInsta360が先行していたが、その領域にDJIが殴り込んできた形だ。アクションカムなので、メインはスポーツやアクティビティを記録することなのだが、使っていると「これこそVlog用じゃないか」と思えるようになってきた。Osmo Nanoを使って見えてきた、Vlogカメラとしてのウェアラブルアクションカムの可能性を探る。

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「手ぶらVlog」が成立する理由

 手ぶらで撮影してVlogになるのか、と思うかもしれない。それを可能にしているのが143度の超広角レンズと、4:3での4K撮影だ。

 超広角なので、胸に固定したカメラには大抵のものが収まる。さらに4:3で撮っておくと縦方向に余裕が生まれ、通常の16:9にクロップする際に欲しい画角を後から選べる。撮影中に細かくフレーミングを気にしなくても、編集でリカバリーできるわけだ。

 ただ、手ぶら撮影にはちょっとしたコツがいる。普通に歩くだけでも問題なく撮れるが、きれいな景色に出会ったときは体ごと景色に向けると映りがよくなる。最初は意識しておく必要があるが、慣れれば自然と体が向くようになる。建物をアオリで撮りたいなど、明確にアングルを決めたい場面では体を大きく動かすか、いっそ手でカメラの向きを変えてしまうのも手だ。ドックがあれば映像を確認しながら調整できる。

 また、ワイヤレスマイク「DJI Mic 2」や「DJI Mic 3」をレシーバーなしで直接接続できるため、話しながら歩くスタイルのVlogにも対応できる。

熱停止には注意

 小さなボディに大型センサー、バッテリー、ストレージを詰め込んでいるため、熱がこもりやすい。スペックは申し分ないが、それがちゃんと使えるかは別問題だ。

 室温22度の環境で10bit、4K/30fps撮影を試したところ、約25分で録画が止まってしまった。ボディはかなり熱くなっており、クールダウンしないまま再開しても10分も持たずに再停止。バッテリーが切れるまで撮影したところトータルの撮影時間は40分ほどだった。一方、GO Ultraを試した複数のレビュアーによると、条件は異なるが4K30fpsでもバッテリーが切れるまで熱停止しないという声が多かった。

 ただ、使い方次第で大きく変わる。フレームレートを24fpsに落とした場合、熱停止なしで50分以上撮影できた。30fpsから24fps、たった6fpsの違いだが、処理負荷にはかなり差があるようだ。筆者はもともと24fpsで撮る派だったので、Osmo Nanoの熱停止にはあまり悩まされなかった。テストのために30fpsに切り替えたところ、まるで使い勝手が違ってびっくりしたほどだ。

 耐久モードを試すのも手だ。これはいわゆる省電力モードで、記録方式を8bitに抑えるなど負荷を下げることでバッテリーの持ちを長くするものだ。同じ条件で耐久モードに切り替えたところ、4K30fpsでも熱停止することなく50分以上撮影できた。

 あとは撮影条件によっても変わるだろう。本体が樹脂で覆われているので、無風空間だと熱がこもりやすい。例えば、自転車のように走行中に風が当たる環境では放熱しやすく幾分ましになるとも考えられる。こうした撮影環境や耐久モード、4K24fps、こまめにクリップを分けるスタイルなら十分実用的だが、動作安定化のため継続したアップデートを期待したい。

 バッテリーは内蔵タイプなのでOsmo Actionと違って交換して即復帰とはならない。ただ充電は速く、0%から20分で95%まで回復する。その後はバッテリー保護のためか、満充電まで30分以上かかるものの、20分あれば実用上ほぼ問題ない水準までチャージできる。

 128GBの内蔵メモリなら4時間以上の4K撮影ができるし、設定次第でカメラ単体で40〜50分持つ。ドックと合体し、給電させながらの録画も可能だ。ただ、ドックを装着した状態で録画していても、データはカメラ本体の内蔵メモリにしか記録されない。ドックはワンタッチで外せる設計のため、録画中に誤って外してしまったときのデータ保護を優先した仕様なのだろう。

 この辺、Insta360が一歩リードしており、GO UltraはmicroSDを直接交換できるため、容量がいっぱいになってもほぼ止めずに撮影を続けられる。また、別売りの充電ベースを使えばアクションポッドなしでカメラ単体を充電可能。装着したまま給電しながら撮影することも可能だ。

初号機で足りないところも。でも価格は魅力

 小型ウェアラブルカメラはもともと、スポーツやアクティビティの瞬間を切り取るためのカメラだった。それがバッテリーやストレージの進化により、旅行中の街歩きや日常のちょっとした記録にも使えるところまで来ている。ガチの長回しが必要ならOsmo Action 6を選べばいいが、普段遣いや旅行でのVlogなら、軽くて装着が楽なOsmo Nanoのほうが出番は多くなるかもしれない。

 次モデルへの期待も書いておきたい。近接撮影への対応、発熱の抑制とバッテリー稼働時間の延長、microSDスロットの搭載あたりは是非お願いしたい。そして、Osmo Action 6が採用している正方形センサーの導入も面白いと思う。正方形センサーなら縦でも横でも自由にクロップできるため、手ぶら撮影との相性がさらに良くなるはずだ。

 直接の競合であるInsta360 GO Ultraと比べると、初号機ならではの粗さはある。ただなにせ価格が違う。GO Ultraが約6万5000円前後なのに対し、Osmo Nanoは64GBモデルが4万3890円、128GBモデルが4万8730円。DJIにとって初号機だし、この価格なら十分だと思うユーザーも一定数いるだろう。その場合、個人的には128GBをおすすめしたい。microSDへの転送の手間が減る分、撮影に集中できる。

 4月10日にはOsmo Pocket 4の発売も予告され、ゴールデンウィークを前にVlogカメラを検討している人もいるだろう。Osmo Pocket 4との画質差はおそらく小さくないが、手ぶらで撮れるという体験はOsmo Nanoにしかできない。いろいろな選択肢がある時代だからこそ、自分の撮り方に合った1台を選んでほしい。

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