「HTTPステータスコード百人一首」や“社長として情報漏えいを防ぐゲーム”も 日本屈指のボードゲーム即売会で見つけた“IT卓ゲ”たち
アナログゲーム事業を手掛けるアークライトが5月23~24日にかけて開催したボードゲームの展示即売会「ゲームマーケット2026春」。2日間で3万人超が来場する、ボードゲーム関連では国内屈指のイベントだ。会場には、商業・同人を問わず多種多様なゲームがずらりと並んでいた。
実は筆者も個人でボードゲームを作っており、イベントに両日参加し自身の作品を頒布していた。空き時間には出展ゲームを見学していたが、中にはIT関係の用語・話題をテーマにした作品も。本記事では筆者が実際に見つけた・入手したIT系ボードゲームをいくつか紹介する。
なお、イベントには取材で赴いたわけでなく、あくまでも自身の作品を頒布する空き時間で探したため、出展作品を網羅できているわけではない。売り切れなどの理由もあってすべてを入手できたわけでもないので、その点はご了承願いたい。
HTTPステータスコードやLinuxコマンドテーマのかるた
最初に紹介するのはサークル「アゲピテック」の「HTTPステータスコード百人一首」。名前通りのゲームで、読み手がHTTPSステータスコードの説明文を読み札として読み、プレイヤーはそれに当てはまるカードを取る。収録コードは40種類。
なかなかニッチだが、実はこのサークルは同様にニッチなゲームを多数作っている。例えばオプションやコマンドの機能からLinuxコマンドを当てる「Linuxコマンドかるた」や、SQL文が断片的に書かれたカードを組み合わせ、お題通りのSQL文を書く「SQLビルダー」など。
Windowsのショートカットの機能から必要なキーを当てる「ショートカットキーかるた ver.Windows」なんてのもあり、会社によっては新人教育を兼ねたレクリエーションにも使える……かもしれない。
セキュリティエンジニア作、社長になって情報を守れ
次に紹介するのはサークル「MottainaiGames」の「情報漏洩」。プレイヤーは企業の社長になり、サイバー攻撃から自社の情報を守れたら勝ちというゲームだ。各プレイヤーは「裏帳簿」「登録前特許」「修正前の監査結果」といった「情報カード」をそれぞれ持ちつつ、それとは別に、盤面と手札でも「暗号化」「ランサムウェア」といった「セキュリティカード」を管理する。
盤面のカードは毎ターン変更する必要があるが、盤面に出したカードの中にサイバー攻撃マークのついているものがあればインシデントが発生。その場でサイコロを振り、出た目が書かれた「セキュリティカード」の効果が発生する。
セキュリティカードによってはトラブル(ネガティブな効果)を阻止することも可能だが、そうでない場合は情報カードの廃棄(つまり情報漏えい)などの効果が発動する。管理するカードをうまくやりくりし、なるべく情報カードの漏えいを防ぐ──というのがおおまかなルールだ。
ちなみにルール制作者は本職がセキュリティエンジニアという。だからだろうか。ルール記載の「最も最近情報漏洩した社長(このゲームを含む)をスタートプレイヤーにしゲームを進めます。いない場合は、適当な方法で決めてください」との文言に悲哀を感じないでもない。
生成AIの仕組みやAI翻訳を取り入れたゲームも
入手できなかった、もしくはイベント終了後に知ったゲームの中にも面白そうなものがあった。例えば東大生が作ったという触れ込みの「テーブル・ニューラル・ネットワーク」はAIをモチーフにしたゲームで、生成AIの仕組みを学べるようにもなっているという。指定された文章をAI翻訳ソフトで日→英に訳して暗記し、それをさらに英日に訳し直してズレを楽しむ大喜利ゲーム「耳コピ Translation」もユニークだ。
昨今は企業や公的組織においてもユーザーコミュニティー間の交流や教育、セキュリティ意識の醸成などにボードゲームを活用する例が少なくない。ジャンルは大きく違うが、ニッチなネットワーク製品をミニチュア化した「手のひらネットワーク機器」がITインフラ関係者の中で話題を集めたように、ゲームマーケットのような場からIT業界の話題を席巻するゲームが出てきたら面白い……だろうか?
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