検索
ニュース

キーボード入力時の脳の動きから打った文章を割り出す技術、Metaが発表 手術不要、“埋め込み式”に迫る

米Metaが、手術を伴わずに脳の活動を文章へ変換する研究「Brain2Qwerty v2」を発表した。頭部に装着する装置で脳の信号を読み取り、人がキーボードへ入力した文章をリアルタイムで解読する。脳の病気で話す力を失った人の意思疎通を支える技術として、学習用のコードも公開した。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 米Metaは6月29日(現地時間)、手術を伴わずに脳の活動を文章へ変換する研究「Brain2Qwerty v2」を発表した。脳に電極を埋め込む手術が必要な手法に迫る精度で、文章をリアルタイムに解読できるとしている。脳の病気で話す力を失った人が、再び意思疎通できるようにする狙いがある。

photo
リリース(Meta)

 同社は2025年に「Brain2Qwerty v1」を発表し、文字単位で最大80%の解読精度を達成していたが、臨床応用には課題が残るとされていた。今回の「v2」では、単語や文の意味レベルまで解読範囲を広げ、文章をリアルタイムで組み立てられるようになった。精度は、脳への電極埋め込み手術が必要な手法に迫るという。

photo
従来モデル(v1)と最新モデル(v2)の脳波の解読アプローチの違い

 Brain2Qwerty v2は、9人のボランティアが10時間ずつ脳磁図(MEG)を測定する装置を装着し、文章を入力した約2万2000文のデータで学習した。また、神経データに基づいて大規模言語モデルを微調整したことで、文脈を読み解く力が向上し、ノイズの多い脳信号から意味の通る文章を組み立てられるようになったという。最適化の検証にはAIエージェントも投入。最終的な学習構成は技術者が手動で選択した。

 その結果、解読した単語の正答率は61%に達した。これは、従来の手法(手術を介さない方法)の約8%を上回る。最も成績の良かった参加者の正答率は78%となり、全文章の半分以上が誤り1単語以下で解読できたとする。

photo
従来モデル(v1)と最新モデル(v2)の性能・データ量の較

 Metaによると、解読の精度は学習データの量に応じて伸び続けており、データを増やすだけでも、外科手術を使う手法との差をさらに縮められる見込みだという。また、同社はv1とv2の学習用コードを公開。共同研究先のスペインの研究機関BCBL(バスク認知・脳・言語センター)も、v1のデータセットを公開した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る