この頃、セキュリティ界隈で
政府・著名人のInstagramアカウントが次々に乗っ取り被害 原因はMetaのAIアシスタント?
米宇宙軍の幹部やオバマ元大統領時代のホワイトハウスが使っていたInstagramのアカウントが何者かに乗っ取られ、イラン支持の画像やメッセージが投稿される被害が相次いだ。攻撃者は米Metaの「AIサポートアシスタント」が抱える脆弱性を突き、狙ったアカウントのパスワードをリセットしたと伝えられている。
報道によると、他のユーザーからも自分のInstagramアカウントが乗っ取られたと訴える声が、5月末にかけて続出した。
5月31日には複数のTelegramチャンネルを通じ、MetaのAIサポートアシスタントを利用すれば、他人のInstagramアカウントのパスワードを簡単にリセットできるという情報が出回り始めたという。
XにはAIサポート悪用の手口を紹介する動画が投稿された。それによると、攻撃者は不審な挙動の検出を免れるため、VPNで相手の居住地に近いIPアドレスを経由して「Find your account」の画面にアクセスし、標的のユーザーネームを入力する。
続いてMeta AIサポートアシスタントに対し、そのアカウントに新しいメールアドレスを追加するよう指示した上で、自分のアドレス宛にパスワードリセット用の8桁のコードを送信させる。攻撃者がその認証コードをAIアシスタント画面に入力すると、「Reset Password」のボタンが表示され、攻撃者が新しいパスワードを入力してアカウントを乗っ取ることができてしまう。
この問題が報じられたことを受けた米Meta広報のアンディ・ストーン氏は6月2日、「問題は解決された。被害に遭ったアカウントの安全は確保している」とXに書き込んだ。
AIサポートがはらむ重大リスク
インドのサイバーセキュリティ解説サイト「CyberSec Guru」によると、Instagramのアカウント復旧をサポートするMetaのAIアシスタントには、2要素認証を突破できてしまう脆弱性が存在していた。
この問題を悪用され、自分のアカウントから締め出されたという著名研究者が続出しているほか、高額で取引される1文字や2文字の短いハンドル名などが大量に盗まれ、Telegramを通じて転売されているという。
Metaの対応についてCyberSec Guruは、「AIアシスタントのボタンを目に見えるインタフェースから削除して、一般ユーザーからは見えなくしたものの、根底にあるAPIエンドポイントはアクセス可能な状態のまま放置している」との見方を伝えた。
アカウント復旧などの手続きをAIサポートに任せることの危険性を指摘する声も相次いでいる。
「今回の事態は、サポートや重要な機能をAIチャットbotに任せることに伴う重大なリスクを見せつけた」(米404 Media)
「Instagramは人によるサポート態勢の貧弱さで悪名高い」「今回の事態は、サポートやアカウント復旧、ユーザー認証を支援するAIが信頼され、センシティブな操作を任されている現状にさまざまな脆弱性があることを示している」(CyberSec Guru)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この頃、セキュリティ界隈で
海外のセキュリティ関連ニュースを追い続けている鈴木聖子さんによる、最近のセキュリティニュースブリーフィング。隔週でお届けします。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
2
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
3
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
4
たばこ休憩なき時代の“一服”をどう取るか 温熱と“聞こえない音”で休む、JT子会社のアイマスクを試す
-
5
パナソニックHD子会社、使用禁止の生成AIに従業員約33万人分の個人情報をアップロード
-
6
「楽天ドライブ」に不正アクセス 保存したデータなど1.5万アカウント分が取得・閲覧のおそれ
-
7
B級感がたまらない? 映画「ストリートファイター」の魅力と原作ゲームの歴史、ゲーマーマンガ家が熱弁
-
8
「能動的サイバー防御」きょう開始 警察・自衛隊などが攻撃元サーバを無害化 高市首相も狙いを説明
-
9
「GitLab」に深刻度“最大”の脆弱性 認証なしで任意のコード実行の恐れ、修正版適用を CVSS「10.0」
-
10
PHPに「緊急」レベルの脆弱性2件 修正版を日本時間21日深夜に公開へ、事前準備を呼び掛け
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR