これが“ThinkPad”クオリティのタブレットPCだ──レノボ・ジャパン「ThinkPad X41 Tablet」ThinkPad X41 Tablet特集(1):レビュー(3/3 ページ)

» 2005年07月06日 14時00分 公開
[平澤寿康,ITmedia]
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 X41 Tabletでは、ディスプレイ部を回転させるためにヒンジがディスプレイ部中央にあり、バッテリ設置部の中央にせり出す構造となっている。そのためバッテリも、中央部にくぼみを持たせた特殊な形状となっており、また、標準バッテリでも本体後部にはみ出す構造となっている。このため本体の奥行きは、ThinkPad X41よりも若干長い。

バッテリの上面/底面は滑り止め用にラバーコーティングされており、タブレットモード時のグリップとしても機能する

 ただ、バッテリの上面と底面部分にはラバーがコーティングされており、タブレットモードで利用する場合ははみ出したバッテリ部分がグリップとなるため、とても持ちやすい。

セキュリティ面もしっかり

 保存データの流出・盗難といった問題が毎日のように報じられ、ノートPCに対するセキュリティ機能強化の要求も日増しに高まっている。X41 Tabletは、このような要求にも十分に配慮・対応した仕様となっている。

 まず、先ほども触れた指紋センサーによる指紋認証でマシンのロックを解除できるようになっている。また、セキュリティチップ(TPM)を搭載しており、TPM対応アプリケーションを活用することによって、強力なファイルの暗号化を実現したり、内蔵HDDを抜き出して他のマシンに入れ替えても、保存されているデータを取り出せない仕組みを実現できる。

 タブレットモードで利用する場合は、本体を腕で抱えたり手に持って使用することが多くなるために、マシンを落としてしまうといったトラブルの危険性も高まる。しかしX41 Tabletには、加速度センサによってマシンの位置変化を常に監視し、落下などの衝撃の予兆を感知すると自動的にハードディスクのヘッドを退避させる「ハードディスク・アクティブプロテクション・システム」が導入されている。

 もちろん、ThinkPadブランド製品ということもあり、ある程度の衝撃に対する耐性はあらかじめ備えているが、それに加えてハードディスク・アクティブプロテクション・システムを盛り込むことによって、非常に高いレベルでの保存データの安全性を実現しているわけだ。

タブレットPC機能で新たな付加価値を発見

 X41 Tabletは、見た目だけでなくその中身も含め、これまでのコンバーチブルタイプのタブレットPCと比較すると、格段に完成度の高いマシンに仕上がっている。その最大の理由は、“ThinkPad”クオリティをとことんまで追求したその仕様にある。

 過去に存在したコンバーチブルタイプのタブレットPCは、もちろんそれらがトレードオフの関係にあることは十分承知しているが、ノートPCとしてもタブレットPCとしても、やや中途半端な仕様になってしまっている製品が多かった。特にノートPCとして利用するにはスペック面がやや弱く、液晶ディスプレイ部がぐらつくなど、耐久性やユーザビリティの面で不安を感じてしまう要素もあった。

 その中でX41 Tabletは、タブレットPCとしての使い勝手は当然ながら、ユーザビリティ面も含め、ノートPCとしても全く問題なく活用できるクオリティを実現している。また、昨今課題となっているセキュリティ性も高く、常に持ち運ぶマシンとして非常に魅力が高い。

 これまでタブレットPCは、特定用途向けの業務マシンというイメージが強かった。X41 Tabletの主な販売ターゲットも他のThinkPadシリーズと同様に企業ユーザーだが、適用できる業務範囲は、一般的なオフィス使用から特定用途までと幅広い。

 一般ユーザーにとっても、デジカメで撮影した画像のレタッチ作業などで、ペンオペレーションの価値や可能性を発見できるはず。それに加えて、通常のノートPCとしても快適に活用できる。一般ユーザーも含めた幅広いユーザー層にお勧めしたい製品だ。

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