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» 2006年01月20日 14時30分 公開

“画質”にこだわるデジカメユーザーのための液晶ディスプレイ術:実践編:写真を思う存分楽しみたいのなら、良いディスプレイを正しく使おう (1/4)

前編・後編と2回にわたって掲載してきた「“画質”にこだわるデジカメユーザーのための液晶ディスプレイ術」。連載の締めは、製品レビューや撮影テクニック紹介を数多く手がける第一線デジカメライターの荻窪圭氏にご登場いただき、「写真と液晶ディスプレイとカラーマネジメントの関係」を語ってもらった。

[荻窪圭,ITmedia]
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パソコン選びの一番のポイントは「ディスプレイ」

 わたしはもともと古いパソコン系ライターで、いち早くデジカメの紹介を始めたこともあって、「デジカメユーザーにお勧めのパソコンは?」、「デジタル一眼レフをこれから始める人はどこを注意してパソコンを買ったらいいか?」といった質問をよく受けるし、そういう記事もよく書く。

 パソコンの性能なんて、Macだろうが、Windowsだろうが、それなりの機種ならそれなりにあるから、何を選んでも大きな失敗はない。むしろ、一番のチェックポイントとして「ディスプレイ」を上げることにしている。今はどのパソコンでも液晶ディスプレイが当たり前になっているが、この液晶ディスプレイというヤツ、安いものとそれなりの値段がするものとではクオリティにすごく大きな差があるのだ。

 デジカメで撮った写真をもっともよく見るのは目の前の「画面」を通してだから、ディスプレイのクオリティが低いとせっかくの写真もきれいに見えないし、ましてやその写真を修正しようなんて思うと、ディスプレイが良くなければ良い結果が得られるはずもない。現にノートパソコンで修正した写真(どうしても外出先で写真を用意しなければならないことがあるのだ)は、やはりあとから見ると色や明るさが微妙にズレていることが多い。ノートパソコンの液晶ディスプレイはバッテリ駆動が必要な分、消費電力に制限があり、さらに厚さや重量といった制約が大きいので、デスクトップ用に比べると質が落ちるのだ。

 よってディスプレイは重要なのである。手頃な価格でハイクオリティな液晶ディスプレイが買えるようになったのは本当にここ1〜2年のことなので(それ以前にもハイクオリティな液晶ディスプレイはあったが、軒並み10万円以上と非常に高価だった)、古いユーザーの中には未だにCRTディスプレイを使ってる人もいるほどだ。

 CRTディスプレイは確かに発色が豊かで良いのだが、アナログな代物なので、デジタルデータを表示するとディテールがシャキッと出ない、正確な色を出すためには細かな調整が欠かせない、何よりデカくて重くて一人で設置すると腰を痛めそう、って欠点がある。クオリティさえ良ければ、液晶ディスプレイの方がいいのだ。

 問題はこのクオリティ。そこで登場するのがナナオの「FlexScan S2110W」である。

 って、ちょっとわざとらしいけれど、ナナオのディスプレイは昔からそのハイクオリティゆえにプロの間で人気があり(わたしもずっと「FlexScan T760」という19インチフラットトリニトロンCRTの製品を使っていた)、それは液晶ディスプレイになっても健在なのだ。価格も9万9750円(EIZOダイレクト価格;税込み)で、高価ではあるものの、画面サイズや解像度、クオリティを考えるとお買い得な価格設定となっている。

FlexScan S2110Wを使って写真を確認・修正中の荻窪圭氏
Macユーザーの荻窪氏は、主にPower Mac G5とPowerBook G4を使用している

S2110Wの良いところ

 デジカメの写真を液晶ディスプレイでいじるときに必要な条件は、高解像度で画面が大きく、できればワイドで、高コントラストで明るくて、sRGBをちゃんと表現できて、視野角が広いもの。もうそれに尽きる。S2110Wはそれを完璧に満たしているのだ。

 S2110Wは21.1インチで解像度は1680×1050ドット。およそ16:10の横長だ。200万画素のデジカメは1600×1200ドットなので、ほぼ等倍で表示できるサイズである。デジタル一眼レフの画像は3:2なのでそこまでワイドじゃなくてもよさそうだが、Photoshopなどの画像編集ソフトは画面の左右にパレットを置くので、横幅が広ければ広いほどありがたい。

S2110Wは1680×1050ドットと横長なので、Photoshopの各種パレットを画面の左右に置いても煩わされることがない。Mac OS XのDock(Windowsのタスクバーに相当するランチャーユーティリティ)も右端に出しておける

 わたしはMacユーザーだが、アップル純正のCinema Displayでいうと20インチに相当する解像度。この20インチCinema Displayもかなり視野角が広くて優秀だが、S2110Wの方がちょっと大きく、明るさ(輝度)やコントラストも上だ。標準の状態(輝度100%)では眩しすぎて、明るさを20%に落として使っているくらいである。

 S2110WはDVI-I端子を持っているので、最新のPower Mac G5のDVI端子に直接デジタル−デジタルでつながるのもいい。

 アップル純正の20インチCinema Displayに比べると、S2110Wには大きなアドバンテージが一つある。PC入力を2系統持っていることだ。MacとWindowsの2台のパソコンを1台のディスプレイで共用できるのである。2種類のパソコンを使っている人には非常にありがたい。場所をとらずに済むからね。

 もう一つ便利だと思ったのは、自分で明るさや色温度などをセットできる「Custom」モードの他に、あらかじめ用途別にセッティングされた「Movie」や「Text」といったモードを持っており、ボタン一つで切り替えられること。だから写真編集用にディスプレイをセッティングしても、DVDを観たり、ムービーをフルスクリーンで観たいときは、「Movie」モードにすればさっと明るさ100%の動画再生向きのモードになるし、それでは明るすぎる、落ち着いた色調で文字を読みたい、文章を書きたい、というときは、「Text」モードに切り替えればいいのだ。これは意外に便利。

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