「NEXTGEAR-NOTE M5010WG-LII」は、ノートPCとしては最大クラスとなる17インチワイド液晶ディスプレイを搭載するハイスペックノートPCだ。単に画面サイズそのものが大きいだけでなく、1680×1050ドット(WSXGA+)の非常に高い解像度を持つ液晶パネルと、快適なゲームプレイに必須となるグラフィックスチップの搭載が大きな特徴となる。1680×1050ドットという広大な解像度は、日常的にPCを利用する際にも豊富な画面情報量を提供し、ことゲーム内でも精緻で美しいグラフィック表示を実現する。もちろんリネージュIIでも1680×1050ドットでの表示をサポートしており、ハイスペックなCPUと搭載グラフィックスチップとの組み合わせにより、精緻なグラフィックで快適にプレイできる。
CPUには高い処理能力と低発熱性が特徴のPentium M 770(2.13GHz)が、そしてグラフィックスチップとしてMOBILITY RADEON X800 XTを採用し、256Mバイトのビデオメモリを搭載する。RADEON X800 XTはデスクトップPC向けグラフィックスチップとしては1世代前になるが、2005年のハイエンドともいえる位置付けであり、ノートPC用としては極めて高い描画性能を持つことに変わりはない。なお、余裕のある筐体サイズからくる冷却機構も相まってかWebブラウズ程度ではファンが動作する様子もなく、日常利用時にはわりと気になる静音さについても申し分ない。
また1GバイトのPC2-4200 DDR2 SODIMMを2枚、標準で2Gバイトのメモリを実装する点もゲーマーPCと名乗るにふさわしいG-Tuneブランドのモデルらしいところだ。Webブラウズやメール、オフィスアプリケーションなどの一般的なPCの利用には過剰とも思える2Gバイトものメモリだが、ゲーム用途においてパフォーマンス向上に繋がることも多く、さらに巨大なテクスチャデータの転送も多い3Dゲームの世界ではメモリアクセス速度が描画パフォーマンスに決して無視できないほどの影響を与える。容量しかり、かつデュアルチャネルでの装備はゲーマーPCには重要なポイントなのである。
さて、17インチワイドディスプレイを搭載する本機はさすがに大きく、もちろんモバイル利用は意識されていない。しかしデスクトップPCにおける単体キーボードのスペースに少々奥行きぶんを加えた程度の設置スペースで済むのは、ノートモデルならではの大きなメリットだ。本体の重量は約4.3キロ。決して軽くはないが、部屋間の移動など、家庭内での持ち運びであれば大きく苦労することもないだろう。
キーボードは、デスクトップPCのもの同等の19ミリピッチのものが搭載される。さらに若干簡略されたタイプだがテンキーも備えている。テンキーがあるためにホームポジションがやや左寄りになるイメージにはなるが、そのぶんトラックパッドもオフセットされ、かつ入力しやすい標準キーピッチであるためにタイピング感はまったく不満を感じない。
もちろん、2層DVDメディアへの書き込み対応のDVDマルチドライブや、右側面と背面に分散配置された4つのUSB 2.0ポート、IEEE 1394、SDメモリカード/MMC/メモリースティック対応のメモリカードスロットなど、いまどきのPCに必要なインタフェースもそつなく備えており、ゲーム以外のPC利用でも機能不足を感じることはないはずだ。
本体右側面にヘッドフォン/マイク端子、メモリカードスロット、PCカードスロット、4ピンIEEE 1394、USB 2.0×2(右上)、本体背面にスピーカー出力、USB 2.0×2、DVI-I(D-Sub変換端子も付属)、モデム、ギガビットLAN、S-Video出力、ACアダプタ端子、シリアルポート(左下)、本体左側面にDVDスーパーマルチドライブを備える
トラックポインタ下には時刻、CD/DVD再生時情報などを表示できる情報ディスプレイも備える(左)、また本体や周辺機器などを収納できるキャリングケース(中)のほか、レーザーセンサー搭載のマイクロソフト製ゲーマーマウス「Laser Mouse 6000」と快適なマウス操作が期待できるシリコン製マウスパッド「エアーパッドIII」(右)も付属するでは肝心のリネージュIIをプレイしてみよう。
まずログイン画面で画面解像度を搭載ディスプレイに合わせた1680×1050ドットに変更する。それだけでデフォルトの描画効果設定はもちろん、ぱっと見の視覚的影響が大きいが、高い3D描画性能を欲求する「背景効果」「影」などの設定を有効にしても、なんら問題はない。描画されるオブジェクトが増え、初期設定とは別世界の印象すら受ける。さらに空や山などの表現力が大きく変化する「視野・地形」を最高設定の“Very Wide”に変更しても不満はまったく感じない。
比較的グラフィックオプション変更の効果が分かりやすい位置での変化。左が初期設定で、右がテクスチャ、視野・地形、視野・人物のレンダリングを最高に設定し、背景効果を有効にしている。リアリティがまったく異なるリネージュII クロニクル4の新たな描画設定である「HDR」も試してみよう。HDRとは「ハイダイナミックレンダリング」の略で、一般にPCで扱われるRGB 8ビット/1600万色という表現の制限を越え、よりリアルな描画表現を可能とする技術。HDRを有効にすると光と影の表現力が増し、よりリアルな表示になる。全体の色合いも変わるのでユーザーによっては好き嫌いもあるようだが、重要な点は「HDRを有効」にしても描画速度が十分に確保されていることである。
先ほどと同じ場所でシェーダーを「HDRレンダリングA」に変更する。コントラストが高くなり、おい茂る草などの表現力がぐっと増している点に注目したい(左)、同じく「HDRレンダリングA」で移動中の場面。FLAPSによるフレームレート表示で33fpsが確保されていることが分かる。時間変化による色表現も向上し、きわめて「シネマチック」にリネージュII クロニクル4を楽しめる(右)さらに本機にはマイクロソフト製レーザーマウス「Laser Mouse 6000」とパワーサポート「究極セットIII」が付属する。
174(幅)×218(奥行き)×2(厚さ)ミリのシリコンゴム特殊表面処理が施された「エアーパッドプロIII」、円形/楕円形/厚さ違い(0.65ミリ、0.45ミリ)など5種類の「エアーパッドソール」が付属する。Laser Mouse 6000の場合はもともとある黒いソールを外してから、同形状の楕円形ソールに付け替える。写真内Laser Mouse 6000裏面のうち、白いソールがエアーパッドソールだLaser Mouse 6000は、従来の光学式センサー以上の読み取り精度を実現するレーザーセンサー搭載の5ボタン有線マウスだ。左右対象のデザインにて本体左右に拡張ボタンが備わる。究極セットIIIは、シリコン製薄型マウスパッド「エアーパッドプロIII」と、マウス本体に取り付けるシリコンソール「エアーパッドソール」がセットとなったパッケージとなる。
リネージュIIは移動やコマンド実行から、ターゲット指定まで、マウスを多用するゲームである。こと本機のように高解像度の広い画面でプレイする場合は総じてカーソル移動量も多くなるわけで、快適なゲームプレイにおける重要なデバイスである。
このマウスにエアーパッドソールを貼り付け、エアーパッドプロIII上で走らせる。一言「つるっつる」、鏡面で氷を移動させているかのようだ。分解能の高いレーザーセンサーとほぼ抵抗を感じない操作感により、手首をぴくっと数ミリ動かすだけで画面の端から端までカーソルが移動する。なおかつその高精度さから、狙った位置でぴたっと止まる。これらは“単に動作させるため”ではなく“ゲームを快適にプレイするため”だけに用意されたことが、ゲーマーPCと名乗るにあたるこだわりとも感じられる。
拡張ボタンにゲームコマンドを割り当てられる「ゲーム コマンド操作機能」(左、中)や、ボタン割り当てにてポインタ速度を変更できる「プレシジョン ブースター機能」(右)を備える。ゲーム コマンド操作機能では、1ボタンに2つまでのキー入力組み合わせを登録できる同機のベンチマーク結果は以下の通り。
| PCMark05 | |
| PCMark | 3392 |
| CPU | 3425 |
| Memory | 2957 |
| Graphics | 4028 |
| HDD | 3267 |
| Game Bench | |
| 3DMark03(1024×768ドットnonAA、nonAniso) | 11114 |
| 3DMark03(1024×768ドット4xAA、8xAniso) | 6506 |
| 3DMark03(1680×1050ドット、nonAA、nonAniso) | 7581 |
| 3DMark03(1680×1050ドット、4xAA、8xAniso) | 3785 |
| 3DMark05(1024×768ドットnonAA、nonAniso) | 5292 |
| 3DMark05(1024×768ドット4xAA、8xAniso) | 4377 |
| 3DMark05(1680×1050ドット、nonAA、nonAniso) | 3765 |
| 3DMark05(1600×1200ドット、4xAA、8xAniso) | 2973 |
| FF Bench 3(Low) | 7540 |
| FF Bench 3(High) | 5705 |
3DMark05 Score(1024×768ドット/nonAA/nonAniso)は5292となり、5000ポイントの大台を超えた。3DMark03ではあっさりと10000を超える11114を記録した。これは現在のデスクトップPCに置き換えるとミドルレンジクラス以上の値となる。オンボードグラフィックを採用したノートPCとは比較にならないスコアであり、やはり並みのノートPCではないことは間違いないだろう。
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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年3月14日