「NEXTGEAR L3000G-LII」は同社のゲーマーPCラインアップのうち、コストパフォーマンスに優れるNEXTGEARシリーズの「リネージュII」推奨モデルだ。従来NEXTGEARシリーズはホワイトカラーでやや丸みを帯びたケースであったが、この最新モデルではブラックカラーで、より精悍な印象となるケースを採用している。
ゲーマーPCとして重要となるCPUとグラフィックスカードとして、今回の試用機にはPentium 4 640(3.20GHz)とGeForce 6800GS/256Mバイト搭載モデルがチョイスされている。それぞれ2006年2月現在のハイエンドではないが、単体パーツとして考えると、昨今の3Dゲームをプレイするには必要十分な性能を備える。これらはコストパフォーマンスが高く、自作PCパーツ市場でも人気があるものだ。とくにGeForce 6800 GSは、ミドルクラス/2万円台となる普及価格帯のグラフィックスカード製品としては高い描画パフォーマンスを持つと評価されている。
G-TuneのゲーマーPCは、標準で搭載するメモリ容量の多さも特徴だ。本機でももちろん、PC2-4200 DDR2 SDRAMを1Gバイト×2の総容量2Gバイトのメモリを実装している。ゲーマーノートモデルの前記「NEXTGEAR-NOTE M5010WG-LII」でも触れているが、メモリ容量とアクセス速度は3Dゲームにおいて重要なポイントである。なおHDDにはSerial ATA II/7200rpmタイプの250Gバイトモデルが、光学ドライブには2層DVD記録対応のDVDスーパーマルチドライブが搭載され、さらにギガビットLAN対応である。
ブラックカラーにより精悍なイメージとなった本体ケースだが、従来モデル同様にメンテナンス性のよさも健在である。4基の5インチベイ、6基の3.5インチベイを備え、うち5インチベイすべてとHDD用3.5インチベイ3基は着脱が容易なレール式ステー機構が採用されている。加えて3.5インチベイは横向きになっており、HDD増設やメンテナンスがさらに行いやすい構造となっている。
また少々細かいところだが、ケース下部のスロットなどのデスクトップPCでは比較的低い位置に用意されることの多い前面ポート(USB、IEEE 1394、オーディオ入出力端子)は、ケースの最上段に配置されている。デスク下など床置きすることも多いミドルタワーモデルは、これらポートが上段にあるとかなり使いやすい。同機では、ゲーム用としてUSBコントローラやヘッドフォンなどを接続するのに適している。
さて3Dゲーム用途のPCでは、安定動作のために冷却系を重要に考える。そのため静音性は犠牲になりがちとなってしまうこともある。
本機は、本前面の吸気ファンと背面の排気ファンともに12センチ角の大口径タイプを採用し、1300rpm前後の低回転で動作させている。十分な廃熱能力を確保しつつ、正攻法で可能な限り騒音レベルを低く抑える手法がとられている。もちろん動作していることが分からないほど静かではないが、ゲームプレイ時など「PC負荷が増えた際に急にうるさくなる」ような不快さは感じない。
では肝心のリネージュIIでの動作はどうだろうか。今回はオプションとして用意される高レスポンスタイプの19インチSXGA液晶ディスプレイ、LG電子「L1950T-BN」を用いて、パネル解像度に合わせて1280×1024ドット(SXGA)表示とした(※ディスプレイはオプション)。
リネージュIIのデフォルト画面設定時ではなんら問題なく快適動作するのは当然、「テクスチャー」レベルを“High”に、「視野・地形」「視野・人物」レベルも“Very Wide”に、「背景効果」を“ON”に設定し、描画レベルをほぼ上限まで高く設定した状態でも、移動や視点回転も至ってスムース。なんら不満を感じない。
今回一緒に試したNEXTGEAR-NOTE M5010WG-LIIと同様に「HDR」設定も有効にしても、もちろん描画にはまったく不満はなく、くっきりしたコントラストとなる表現となった。最新の「リネージュII クロニクル4」をしっかりと楽しめるパフォーマンスを持っていることは間違いないだろう。
また、本機にもNEXTGEAR-NOTE M5010WG-LIIと同様のレーザーマウス「Laser Mouse 6000」に加え、ロジクール製ゲームコントローラ「PC Game Controller GPX-500」が付属する。GPX-500はアナログ/デジタルのモード切り替えが可能で、2本のアナログスティックも搭載する。ゲームで頻繁に利用するコマンドはLaser Mouse 6000のほか、計12個のボタンを備えるGPX-500に割り当てて使用できる。付属ユーティリティ「Logitech Profiler」にて、かなり複雑なマクロも登録できる。
ではいくつかソフトでベンチマークテストをしてみよう。今回は「3DMark05」「3DMark03」「PCMark05」「FINAL FANTASY XI Vana'diel Bench3」でチェックしている。
PCMark05 | |
PCMark | 4104 |
CPU | 3970 |
Memory | 3808 |
Graphics | 4378 |
HDD | 5380 |
Game Bench | |
3DMark03(1024×768ドットnonAA、nonAniso) | 9753 |
3DMark03(1024×768ドット4xAA、8xAniso) | 5121 |
3DMark03(1280×1024ドット、nonAA、nonAniso) | 6745 |
3DMark03(1280×1024ドット、4xAA、8xAniso) | 3700 |
3DMark05(1024×768ドットnonAA、nonAniso) | 5028 |
3DMark05(1024×768ドット4xAA、8xAniso) | 3535 |
3DMark05(1280×1024ドット、nonAA、nonAniso) | 4185 |
3DMark05(1280×1024ドット、4xAA、8xAniso) | 2806 |
FF Bench 3(Low) | 7053 |
FF Bench 3(High) | 5499 |
3Dmark05のスコアは5028、そして3DMark03は9753と10000に迫るスコアを記録した。もちろんこれらのスコアは実ゲームを楽しむ上での参考でしかないが、3DMarkでこれだけのスコアが出れば、いまどきの3Dゲーム全般を快適に楽しめる3D描画性能を持つことことは分かる。
PCの総合パフォーマンスを示すPCMark05のスコア4104も、より高価な最近のハイエンドPCでもおおむね5000前後という点を考慮すると、かなり高いものといえる。もちろん総計2Gバイトのメモリのおかげで、ブラウザやメールソフト、オフィスアプリケーションなど、ゲーム以外に使用する一般アプリケーションを多数起動してもスワップが発生することはほとんどなく、ベンチマークの結果以上に日常的なPC利用時も非常に快適であると思われる。
コアパーツ以外に目を向けてみると、ゲーム中の音にもこだわりたいなら高品位なサウンドカードとスピーカーを追加してもよいだろう。BTOメニューにはクリエイティブメディア製サウンドカード「Sound Blaster X-Fi Digital Audio」や、5.1chモデルなど各種メーカー製のスピーカーキットが用意されている。また、標準となるWindows XP Home Editionから同Professionalへの変更がプラス6300円で行える、ちょっとお得なポイントも付け加えておきたい。
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提供:株式会社MCJ
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年3月14日