検索
レビュー

地上デジタルに対応した水冷ホームサーバマシン――NEC VALUESTAR TX VX980/8F(3/3 ページ)

人気の水冷マシン「VALUESTAR TXシリーズ」に、地上デジタル放送対応モデルが登場した。23インチワイド液晶ディスプレイがセットになる「VX980/8F」は、本体のスペックから見てもハイパフォーマンスなモデルとなっている。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

 肝心の画像だが、コンテンツ保護は致し方ないとはいえ、デジタル放送視聴で表示が間引かれているのは困った。カタログには「ハイビジョン映像をPC上で処理しやすい解像度へ変換して表示します」と書かれている。具体的にはハイビジョン放送(HDTV)は「1180i」や「750P」といった解像度で送られているのだが、これを「480P」として表示するのだ。

 480Pと言ってもピンとこないだろうが、解像度720×480プログレッシブの解像度のことで、DVD Videoやデジタルスタンダード放送(SDTV)で用いられているものだ。TVで言うD2端子で使える信号に相当する。

 ハイビジョンは750Pの場合1280×768ピクセルの解像度で、TVで言うD4端子にあたり、様々な問題があるとはいえ、ダウンサイズされた映像が映し出されることになるわけだ。

 実際、筆者の家にあるTV(ソニーの地上デジタルチューナー内蔵TV)と見比べると、見劣りのする映像のように感じた。液晶ディスプレイの方はWXGA(1280×768)なのに、表示画像は720×480になってしまうのは納得できない。視聴ソフトの改善を望みたいところだ。

 とはいうものの、現時点でデジタル放送の視聴、記録のできるPCは他になく、最強なことには変わりない。リモコン操作の大文字なソフト、「Media Garage」を使えばキーボードなしに操作することもできる。


リモコンを使って大きな文字で遠くからも操作しやすいというリビング向け統合ソフトがMediaGarageだ。NEC版のメディアセンター(Windows XP Media Center Editionに付属するインタフェース)ともいえるだろう

本体もパワフル&サイレント

 液晶ディスプレイの価格から考えて、VX980の本体は30万円相当ということになるが、さすがにこの価格ともなると超強力スペックだ。

 CPUはハイパー・スレッディング対応Pentium4/3.2GHz、これにメモリ512Mバイト(デュアルチャネルアクセスのため256Mバイト×2)、HDDは7200rpmの250Gバイト、グラフィックスカードはファンレスのRADEON 9600SE(64Mバイト)、光学ドライブはDVD+R 8倍速のスーパーマルチドライブを装備している。有線LANは1000BASE-Tとトリプル無線LAN(IEEE802.11a/b/g対応)、これに先ほど説明したキャプチャカード×3と、これでもかといわんばかりの豪華装備となっている。

 また、これまでのTXシリーズと同様にCPUを水冷システムで冷却しており、ラジエーターは電源ユニットの低速回転12センチファンで冷やしている。またHDDもシーク音の静音化が図られており、非常に静かなものだ。深夜に使っていても耳に付いたのは水冷ポンプ音ぐらい、という実にパワフル&サイレントマシンとなっている。

 ケースはいわゆるミニタワー程度の大きさであるが、これはキャプチャボード3枚分を収めるためには必要なサイズといえるだろう。また、BS等の有料視聴用のためかモデムカードも収められている。


ケースを開けたところ。左上がラジエーターで、CPUを水冷システムで冷却する

 前面のカバーにはPCカード(Type II×2)、メモリカード(SDメモリーカード/メモリースティック/メモリースティックPRO/MMC対応)スロット、USB2.0×2+IEEE1394のコネクタのほか、セカンドビデオ入力(コンポジット/S端子+サウンド)もありアクセス性はよい。本体側にヘッドフォン端子がないが、これはディスプレイに用意されている。


全面に用意されている端子/メモリカードスロット

 DirectX9をハードウェアサポートするRADEON 9600SEを使っているため、ベンチマーク結果もなかなかよい。もちろん、上位スペックのグラフィックボードはあるが、静音性を確保する条件では現在最適な構成だろう。


PCMark04のベンチマークテスト結果

3Mark03のベンチマークテスト結果

FINAL FANTASY XI Official BenchMark2のベンチマークテスト結果

現在のリビング最強マシン

 色々と気になる点があるものの、それでも現在のリビング最強マシンの座はゆるぎないもので、地上デジタル放送も見たいし、リビングに置けるPCとしては、静かでパワフル、そしてリビング向けの機能満載と、予算さえ許せばこの春のベストチョイスとなるマシンだろう。

 逆に自室で楽しむにはちょっと液晶ディスプレイが大きすぎるように思える。なお、自分好みのマシンを作り上げたいなら、NEC Directのカスタマイズモデルをおすすめする。Celeron/2.60GHzでよければ、水冷筐体のベーシックモデルが9万3800円から用意されているほか、512Mバイト×2の1Gバイトを選び、これにグラフィックスカードをRADEON 9800にしてOffice Personalを選ばなければ、送料・税抜きで約60万円のマシンができあがることになる。

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る