きょうは「ゲームも芸術も任せてくれ」とMEGA 180の懐の広さに涙した(2/2 ページ)
「待たせてすまんかった」とプライベートイベントで多彩なラインアップを見せられてきたMSIのキューブ型PC「MEGAシリーズ」。ようやくここにきてAMD製CPU対応モデルと、インテルCPUのハイエンドモデルが登場。まずは、個人的に期待の「MEGA 180」を紹介してみよう。
パーツの組み込みその2。3.5インチベイにハードディスクを取り付け、それからCPUクーラーを設置する。同梱されているクーラーは、このようにいっぱいいっぱいのスペースを取ってしまうので、上からではなく横からスライドさせて、マザーボードの穴に差し込む。5インチベイドライブ用のケーブルをうまく隙間に入れ込まないと、クーラーユニットが入っていかない
パーツの組み込みその3。ここまでくれば、あとは5インチベイにデバイスを組み込み、メモリモジュールを差し込めば終了。ケーブルの配置などが工夫されていて、以前のように取り回しに苦労することなくパーツを組み込める。小さな筐体にありがちな、ドライブベイの取り外しもいらないのでそれほど難易度は高くない
CPUクーラーのサイズが筐体内の空きスペースギリギリなので、ケーブルの取り回しを少し工夫しなければならないが、以前使ったことのあるMEGA 651の評価機で、ケーブルの取り回し苦労したときからは、かなり改善され、作業性は格段に良くなっている。
PCとして動作する場合、MEGA 180はCPUとしてAthlon XP 3000+とサポートするため、その発熱に対する強力なCPUクーラーが発生する騒音が気になるところ。CPUクーラーのサイズは大きく、多数のフィンと、通風路の両側にはそれぞれ小口径のファンが取り付けられている。これだけ見ると、高音のノイズが耳につきそうな印象がある。
ところが、実際電源を入れてみると、意外にもMEGAから発生する音は実に静か。CPUクーラーも動作していないかのように静かで、思わず電源ケーブルを差し忘れたかと思い、筐体をあけ、それでも音が確認できず手をかざしてファンの風を確かめたぐらいだ。
MEGA 651のときは、筐体からの発生音がかなり気になっていたが、Athlon XP搭載モデルで、これだけ静かなら、リビングで使うメディアプレーヤーPCとしても問題ない。
あまり、静かだ、音がしない、とあまり言うと冷却性能に不安を感じるかもしれない。しかし、こちらもベンチマークテストをループで12時間連続動作させても、問題なく安定動作をしていた。
MEGA 180にAthlon XP/3000+とメモリ512Mバイト(ただし、ビデオメモリとして32Mバイトが割り当てられるので、システムメモリとしては480Mバイト)と搭載した場合のパフォーマンスを定番のPCMark04と、3DMark2001SEで測定した見た。比較対照として先日PCUPdateでレビューした富士通の液晶一体型PCのFMV-DESKPOWER T90G(Pentium 4/2.80CGHz、Intel 865GV、メモリ512Mバイト)を並べている。
実クロックが影響するPCMark04では、T90Gが上回っているものの、その差はわずか。グラフィックスの性能はさすがに大幅にリードしている。ゲームパフォーマンスを示す3DMark2001SEもスバ抜けた成績を示している。
ちなみに、ゲームパフォーマンスの指標としてFINALFANTASY XI for Windows 公式ベンチマーク2でも、低解像度で3401、高解像度で2090をだしている。低解像度3401でエニックススクウェア的評価は「とてつよ」とゲームには問題ないレベル。ただし、最近登場するDirect X 9をバリバリ使うゲームはチョット厳しくなるだろう。
Athlon XP 3000+までサポートするMEGA 180にNorthwoodコアのPentium 4をサポートするMEGA 865と、どちらもキューブ型PCとしては、最高もパフォーマンスを組み込めるので、パワーを必要とするユーザーには魅力的な製品だ。
nForce2の3Dグラフィックス性能とPCIスロットにテレビチューナー内蔵キャプチャカードの組み合わせて、ゲームもビデオキャプチャーに対応できるマルチパーパスキューブPCを求めるユーザーにMEGA 180は向いている。
「ゲームもビデオコーデックも音楽も楽しみたい」といった幅広い要求にMEGA 180は応えられる。まことに「懐の広い」キューブ型PCなのだ。
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