きょうは、静音を「歌う」キューブ型ケース「Antec Aria」を衝動買いした(1/2 ページ)
ベテランに人気のPCケースベンダーであるAntecの新作「Aria」は、“自称”キューブ型ながら300Wの電源や3台のハードディスクが収納できるなど、拡張性に富んだ仕様が魅力なのだ。
Ariaは、Antecの「LifeStyle」シリーズに属するキューブ型PCケースだ。LifeStyleという名称からも想像されるように、このシリーズはホームユースを意識した製品で、過去に発売された「Minuet」や「Overture」のように少々凝ったデザインを採用しているのが特徴。
同社から発表されたリリースによれば、Ariaの実売価格は1万5000円(税込み)程度とされているが、たまたまアキバを彷徨していたら、運のいいことに「新装開店」のセールをやっていて、なんと1万3000円ほどで売っていた。当然のごとく衝動買いと相成った次第だ。
なりは「やや大きめの」キューブ型
再度リリースによれば、AntecはAriaをどうやらキューブ型PCと呼んで欲しいらしい。それにしては、269(幅)×335(奥行き)×200(高さ)ミリというサイズは少々大きめではある。ただ、ケースパネルの素材はアルミをベースとしているため、この大きさで、かつすでに電源を内蔵している割には4.6kgと重くない。包装パッケージもコンパクトなので、これを購入したあと、アキバを2周ほど回ってもさほど苦にならなかった(編注:ここを読むと、かなりガタイのよろしい人物を想像するかもしれないが、巨漢が多いPCライターの中では、筆者の体格はむしろ小柄ともいえるのである)。
このように、昨今の小型PCケースと比較するとAriaはやや大きめの部類に入るが、そのぶん、拡張性や作業性は良好だ。
3.5インチのハードディスクが3台まで内蔵できる拡張性はキューブ型ケースとしては珍しい。ビデオキャプチャーなど、ストレージデバイスを大量に必要とするユーザーにはありがたいことである。5インチベイは一つだが、このサイズのケースでよく見られる「3.5インチベイと排他利用」ではないので、5インチドライブ1台+3.5インチドライブ3台を同時に使用可能だ。
このほかに、フロッピードライブこそないが、スマートメディア/コンパクトフラッシュ(TypeI/II)/メモリースティック/SDなど8種類のメモリカード規格に対応したカードリーダ/ライターやIEEE1394、USB、サウンドの端子が前面に用意されている。一般的なユーザーが必要とするインタフェースは、この前面あるものだけでほとんど間に合ってしまうだろう。
Ariaはmicro ATXのマザーボードが水平にすっぽりと入るため、筐体サイズをコンパクトにするために変な角度でマザーを取り付けられているベアボーンケースなどと比べると、パーツの組み込み作業は非常にやりやすい。
ケースの内部にアクセスするには、背面のネジを一つ外して上面のパネルをスライドするだけでよい。パネルを開けると5インチドライブベイやハードディスクなどの3.5インチドライブベイのケージが見える。固定する部分にはネジの類いが使われていないため、このケージを引き上げるだけで外れるし、取り付けるときもケースにすっぽりとはめ込み、パネルをはめるだけで固定できるようにデザインされている。
このAriaに取り付けられるマザーボードは、汎用のmicro ATXフォームファクターの製品ならOK。PCIカードもマザーボードに対して垂直に差せるようになっており、コンパクトケースでよくあるライザカードを使用するようなこともない。
仮に、ケースの上面からマザーボードがうまく入らないようなときでも、側面のパネルを外せば底板と前後のパネルだけを残したフレームの状態になる。いずれにせよ、小型のPCケースとして非常に作業しやすい構造をしているだけでなく、汎用的なマザーが使えるのはありがたい。
また、マザーボードのスぺーサーなどもあらかじめ装着されているので、初心者でも自作するのはかなり容易なPCケースといえるのではないだろうか。
静音性を重視した電源が付属
Ariaという言葉には「歌を奏でる」(オペラのなかに含まれる楽曲“アリア”)というような意味がある。AntecのLifeStyleシリーズには、「Minuet」や「SONATA」といった音楽関係の名称が付けられているのだが、これは家庭用であることを表しているとともに、静音性もアピールしているようだ。
Ariaでもその特徴のひとつとして静音性が謳われており、小型のPCケースとしては珍しい直径12センチのファンを搭載した電源ユニットが使われている。最近多くなってきた「大きな冷却ファンをゆっくり回して静音性を確保する」というタイプの電源である。
Antecのシールが貼られているため、この12cmファンのメーカーなどは不明だが、カタログによると1200rpmで25dBとなっているので、まずは静かな部類に入るだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.