OneNoteを持って会議に出よう――議事録の作成と配布:サラリーマンのためのタブレットPC使いこなしガイド 第22回
長時間の会議が終了、でもA氏はまだまだ仕事がある。それは「議事録」の作成だ。議事録のまとめから、要点の整理、上司や関係部署へ配布、そしてアーカイブ化までタブレットPC+OneNoteで行うとどのくらい時間と手間が短縮できるのか……
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議事録を作成する時間が劇的に短縮
会議の議事録を作成する際の、テキスト入力の時間を節約するためにPCを持って会議に参加するという人も多い。議事録は概ね次のような目的で使用されている。
- 会議で話し合われたことや決定した内容を上司や関係部署に報告する
- 自分の仕事の忘れをチェックしたり、決定した事項を確認し直す
A氏もまた、このような目的で使用する議事録を作成することが仕事の一つだ。会議で出た主要なテーマや意見、決まった内容、各部署の宿題などをまとめて議事録を作成する。作成した議事録は上司と関係部署に報告書として配布する。さらに、議事録を保存しておくサーバにWeb形式(HTML)で転送し、社内のPCから閲覧できるようにしている。
タブレットPCとOneNoteを使用する前は、システム手帳やいろいろな資料に書き留めた走り書きを、会議終了後にまとめ、ワープロやテキストエディタを使って議事録を作成、その後でHTMLファイルを作成(コーディング)していた。これらの作業にはずいぶんと時間がとられ、深夜になることもあった。
その点、A氏の作業の中でもこの部分が劇的に効率的となった。会議中に入力した情報を整理し、アウトライン機能で見栄えを調整して議事録は完成。メール配信やHTML化もOneNoteで簡単にできるのである。もちろん、仕事の忘れをチェックするノートフラグ機能も使いこなしているのは言うまでもない。
見栄えをよくする(アウトライン機能)
A氏の場合、会議中はしっかりと情報を書き留めることを最優先し、後で解りやすく情報の順序を変えたり、要点や補足の情報を追加し、最後に見栄えを整えている。見栄えを整えるには、段落とアウトライン(第16回参照)を活用する。
OneNoteでは、段落とアウトラインは特別な指定の必要なく利用できる点が特徴だ。箇条書きにした情報をひとつのコンテナにまとめ、[Tab]を使って情報の段落を整えることで、自動的にアウトラインの段落設定が行われる。
アウトラインの段落構成にして体裁を整えることは、見やすいだけでなく、段落単位で一括して選択するというメリットも生まれる。
段落をポイントすると[段落ハンドル]が表示されるので、それを右クリックし、ショートカットメニューから[同じレベルで すべて選択]を選択すると、一括で段落を選択できる。選択した段落に対して、文字サイズやフォントを変更することができるので、文字の大きさやフォントの設定がバラバラであっても、簡単に体裁を整えることができる。
また、この[段落ハンドル]をコンテナの外へドラッグすることで、選択した段落だけを独立したコンテナに分割できる。段落単位でまとめた箇条書きの作成に便利である。
(1)[段落ハンドル]を右クリックし、(2)表示されたショートカットメニューから[同じレベルですべて選択]をクリックすると、(3)同じレベルの段落が選択される (左)
・同じレベルの段落を選択したら、[段落番号]を付けたり(画面左)、文字サイズやフォントの変更(画面右)などが簡単にできる(右上)
・段落を指定し、[段落ハンドル]をクリックしたままコンテナ外へドラッグすると指定した段落だけ分割できる(右下)
見栄えをよくする(詳細の情報を隠す)
「詳細の情報を隠す」機能を使えば、議題となった内容の一覧リストから、見たい詳細情報だけ開いて見られるというフォームが設定できる。
まず、同じレベルの段落をすべて選択、[段落ハンドル]を右クリックしてショートカットメニューを表示し、[下位レベルを隠す]を選択、隠したい段落レベルを指定する。一定のレベルより下の情報は隠され、段落ハンドル「+」アイコンをクリックすることで表示できるようになる。
情報を選別して配信する
A氏は議事録としてまとめた情報を関係部署に一斉同報しているわけではなく、上司、スタッフ、またそれぞれの部署向けに情報を整理し、重要な情報を強調させて提出するようにしている。
会議で出された議題やテーマ、決定したことについて、どの程度の緊急度なのか、どこの部署がいつまでに、どのような方法でやるのか、などをノートフラグで管理し、担当部署に提出する際には関係情報や納期を目立つように工夫している。
議事録をメールで配布する
A氏は作成した議事録をメールで関係者に配布している。OneNoteでは、作成したページをOutlookを使って電子メールで送信する機能がある。
送信する方法は2通り、ページのテキスト内容を本文として送る方法と、OneNoteのページを添付ファイルで送る方法がある。前者は、相手(送信先)がOneNoteを使っていない場合、後者は相手がOneNoteを使っているときに選択するとよい。
初期値では両方の設定になっていて、受信者はメール本文で内容を確認し、OneNoteを持っていれば貼付ファイルを自分のノートとして二次利用できるのが特徴となっている。
(1)[ファイル]メニューから[電子メール](またはツールバーの[電子メール])をクリック
(2)プロファイルに[Outlook]が表示されるので[OK]をクリック
(3)議事録が貼付されたOutlook風の送信メッセージ画面が表示される。後は、通常のOutlookの操作で、送信先アドレスを入力して送信できる (左)
・添付ファイルとして送信したくない場合は設定変更できる。[ツール] メニューの [オプション] をクリックすると、上の画面が表示されるので、[分類] ボックス一覧の [電子メール] をクリックし、[元のノートのコピーをOneNoteファイルとして添付する] チェック ボックスをオフにする(右)
Webページ(HTML)として発行する
一般のWebページでは、テキストとコードが書かれたHTMLファイルとJPEGやGIF画像ファイルなどで構成されているが、アーカイブ用に開発された単一ファイル(mht形式ファイル)という形式がある。mht形式ファイルは、ひとつのファイルでWebページを表示することができるので、企業イントラネットのアーカイブ・ファイルとして既に使用している人も多いだろう。
さてOneNoteにも、作成したページをこのアーカイブ用単一ファイルとして書き出す機能がある。A氏は、この機能を使って作成したファイルを、関係者が共有しているサーバにアップロードし、ブラウザで社員が議事録を閲覧できるようにしているのである。
操作は簡単。メニューバーから[ファイル]→[ファイルの発行]をクリックし、書き出したいフォルダを選択する。必要であればファイル名を変更して[OK]をクリックすれば、mht形式ファイルで保存される。標準では、ページに付けたタイトル名がファイル名になり、[マイノートブック]フォルダに保存される。
A氏の場合は、プリンタ印刷して一部の関係者に配布している。印刷の操作手順はここでは割愛するが、メール、Webページ(単一ファイル)、印刷と、OneNoteには、効率的に配布するための機能が揃っているといえるだろう。
次回は、「会議に出よう」編の締めくくりとして、実際の会議時に役立つ機能とポイントをずばり5つ取り上げよう。お楽しみに。
(第23回へ続く)
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