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レンズ回転式サイバーショットが光学3倍ズームを搭載して登場――ソニー「DSC-F88」(2/3 ページ)

回転式レンズを搭載したデザインが特徴のサイバーショットに新モデルが登場した。「DSC-F88」は、510万画素CCDと、屈曲光学系の光学3倍ズームレンズを新たに搭載したのが特徴だ。レンズ回転式のため、幅広いシチュエーションで撮影できる製品に仕上がっている。

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自由なアングルで撮影できるので、写真の幅が広がる

 DSC-F88の電源スイッチは本体横の撮影モードダイヤルの中心にある。電源スイッチを押すことで電源が入り、もう一度押すと電源が切れる。さらにレンズを回転することでも電源のオン/オフが可能だ。これは便利で、片手で持ったまま電源を入れて撮影ができる。親指でレンズを回転すると電源が入るので、そのままシャッターを押せば撮影可能だ。

 そのほかの操作は特に問題となることはなく、おおむね扱いやすい。DSC-W1などのように撮影モードダイヤルでシーンモードを切り替えできるとよかったが、ダイヤルのサイズなどを考えると仕方なかったのだろう。


撮影モードダイヤルは本体側面に付いている。シーンモードもこのダイヤルで変更できるとよかったが、サイズの関係でメニューから操作するようになっている

操作ボタン類は配置もよく使いやすい。右手だけですべての操作ができるようになっている

 回転式のレンズは撮影時のアングルが自由に変えられるので、写真の幅を広げることができる。レンズを自分に向ければ撮影者自身を撮影できるので、ソニーも「自分撮り」ができることを大きく宣伝しているがそれだけではない。花の撮影など、マクロ撮影でアングルが変えられるメリットは大きい。

 カメラを地面ぎりぎりまで下げた撮影でも、液晶モニタを上に向ければ無理な姿勢をすることなく撮影できる。また、被写体まで数センチまで近づくマクロ撮影では、カメラの影が写らないようにするとアングルが限定されてしまうが、回転式レンズだとある程度カメラ本体を回転して動かすことができるため、多少だがアングルに自由度が出る。

 また、人物撮影や動物撮影時にもメリットがある。レンズを本体の上に向けてそのまま手を腰あたりまで下げると、下を向いて液晶モニタを見ながら前方を撮影できる。いわゆるウエストレベルファインダーである。

 この状態だと撮影者は下を向いているので、被写体はカメラを向けられているという意識が薄くなる。そのため、自然な表情を撮影しやすいのだ。また、ペットなどもやや離れてこの状態で撮影すれば、いつもは撮れないような表情を撮影できることもある。

 デジタルカメラには液晶モニタが自由に動く製品もあるが、この場合はシャッターボタンや操作ボタン類が液晶モニタの位置と外れてしまうので、意外と撮影しにくいことが多い。DSC-F88ならレンズとストロボだけが回転するので、シャッターボタンも操作ボタンも自然な位置のまま撮影できる点は大きく評価できる。

 カメラを手に持って自分を撮影する場合、だいたい、横に並んだ2人の顔のアップが撮れる位の画角になる。もう少し広角撮影ができると背景も入れられるし、自由度が広がるだろう。別売りのコンバージョンレンズを使用すると35ミリフィルム換算で28ミリ相当までワイド撮影ができるが、コンバージョンレンズを付けたままではレンズを下に向けて電源を切ることができない。できればもう少し内蔵レンズを広角寄りにしてほしかった。

 フォーカス合わせは、自動的にカメラが最適と思うポイントにフォーカスを合わせる「マルチポイントAF」と、中心に合わせる「中央重点AF」の2種類から選べる。たいていはマルチポイントAFで問題ないが、まれに自分の思ったところにフォーカスが合わないときは中央重点AFを使うことになる。

 ただ、これだと三脚を使ったマクロ撮影時など、フォーカスを合わせたあとにアングルを元に戻すと、フォーカスがずれてしまうことがある。特に拡大鏡モードの場合は何回か撮影して思った場所にフォーカスが合うのを待つことが多かった。フォーカスを合わせる位置を任意に設定できるとさらによかっただろう。

 フラッシュは、広角端で15センチから利用できるほか、明るさを3段階に設定できる。フラッシュ以外の光とフラッシュ光を併用して撮影する際には、光量を弱めて、フラッシュを使っていないように撮影したりできる。また、ネオンなどの近くで人物撮影するときには、ネオンの色が顔に入って不自然になることがある。このようなときは逆にフラッシュ光を強めてネオンの色を弱める、といった撮影が可能になる。

ややノイズが出るが微妙な色も表現可能

 DSC-F88は1/2.4インチCCDを搭載しているため、1/1.8インチCCDを搭載するDSC-P100などよりも、1画素あたりの受ける光の量はどうしても弱くなってしまう。そのためか、位場所での撮影では、若干ノイズが気になった。

 全体的に画質はよいほうだと言える。マニュアル撮影モードもあるので、自分なりに露出を設定できるほか、シーンモードなどでもホワイトバランスなどの設定が変更できる場合も多いので、撮影に困ることはそれほどなかった。初心者はオートとシーンモードのデフォルトで撮影できるし、中級者以上でも自分で自由に使える項目が多いので、撮影者の意図を反映させた写真が撮影できるだろう。

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