まさに必要最小限――Happy Hacking Keyboard Lite2 日本語配列<かな無刻印モデル>(1/2 ページ)
キーの数を必要最小限に絞った「Happy Hacking Keyboard Lite2」に、刻印まで最小限に抑えた日本語配列かな無刻印モデルが登場。ミニキーボードでありながらキーピッチは19.05ミリと広く、使い勝手の良さはフルキーボードに勝るとも劣らない。
「ローマ字入力」と「かな入力」、日本語入力に使うのはどちら? 筆者の身近で尋ねてみたところ、10人中10人がローマ字と回答した。かな派も依然として存在するようだが、ローマ字入力がここまで浸透している現状を考えると、かな入力用の刻印は不要に思えてくる。
ならば、かな刻印をなくしてシンプルな外観にしよう――。PFUはそう考え、コンパクトな設計で知られるキーボード「Happy Hacking Keyboard」(以下、HHK)のシリーズに「HHK Lite2 日本語配列<かな無刻印モデル>」(以下、HHK Lite2 日本語版)を加えた(関連記事参照)。
Happy Hacking Keyboard Lite2 日本語配列<かな無刻印モデル>。サイズは294(幅)×120.5(奥行き)×38.6(高さ)ミリと場所を取らない。Lite2はHHKシリーズのローエンド版で、直販価格は5880円(税込み)
かななしのキーボードと言えば、ダイヤテックが1月にリリースしている。松下電器産業も5月21日に発売した「Let'snote LIGHT R3」のオンライン販売オプションで、「ローマ字すっきりキーボード」の提供を始めた。PFUはさらに一歩踏み込み、キートップから「無変換」や「変換」、「半角/全角」といった日本語表記を完全に取り去った。
変換と無変換のキートップには、語句の変換候補が次々に変わるイメージを図式化し、矢印を回転させたアイコンと、それを斜線で遮るアイコンをそれぞれ刻印。幾つかのデザイン候補の中から、「直感的で分かりやすいデザインを選んだ」という。
HHK Lite2 日本語版は、半角/全角を左の「Alt」付近に配置するのが特徴だ。「独自配列を象徴するキー」と考え、半角/全角にはHHKのシンボルマークを付けた。「カタカナ/ひらがな」もアイコン化を検討したが、「適当なイメージがなかった」ため、ローマ字で「Kana」と表記することにしたという。
かながなくなってローマ字だけが残り、キートップがすっきりした。見栄えはもちろん、英字キーを探しやすくなり、英文やパスワードを入力するときの使い勝手もよくなったと思う。
敷居は高いが慣れるとおもしろいキーボード
HHKは、PS/2採用のDOS/V機、Sun互換機、Macintoshのどれにも対応するキーボードとして1996年に売り出された。Windows以外での利用を想定していたことから、現在の一般的なWindows用キーボードとはキーの配列が多少異なる。Windows用では左端の配列は下から「Ctrl」、「Shift」などになるが、HHKではShiftの上にCtrlが来る。
Windowsマシンから始めた最近のユーザーにとってはなじみにくい配列だが、古株のユーザーには逆。UNIXやPC-88あたりから始めているユーザーは、CtrlがAの横にあって当然だと言う。
昔ながらのよさもあるが、一目で分かるメリットはコンパクトな点だ。
液晶ディスプレイでなくCRTを机の上で使っているのなら、フルキーボードを併用しているとそれだけで机が埋まってしまう。HHKにすれば、設置面積が少ない上に持ち運びも楽だ。書類を広げて作業したり、昼時に弁当を広げるときなど、ちょっとどかせばキーボード分のスペースをまるまる確保できる。
HHKがコンパクトなのは、キーの数を必要最小限に絞ったおかげだ。ShiftやCtrlといったキーのサイズを犠牲にせず、キーピッチはフルキーボードと同等の19.05ミリ。「Page Up」などの専用キーが削られているが、代わりに「Fn」と、対応する文字キーを同時に押して入力する。
高さは38.6ミリと、たいていのフルキーボードより厚い。ミニキーボードらしからぬキーピッチと併せて、ゆったりした姿勢で打ち込めるキーボードだと思う。以前からHHKに興味があったというユーザーに使用感を聞いても、「期待していたよりもしっかりしていた」と答えている。
ちなみにHHKシリーズには、最上位のHHK Professional、通常版のHHK、廉価版のHHK Lite2がある。それぞれ押下圧が微妙に違い、順に45グラム、50グラム、55グラム。押下圧については柔らかめか、固めかで好みが分かれるところだと思うが、あるHHKユーザーは、高さの違い(HHKは29.8ミリ)もあってか、HHK Lite2を「スイッチ感があってよかった」と評価している。
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