AirMac Expressをあれこれ試してみた(4/4 ページ)
1週間ほどAirMac Expressを借りることができたので、AirTunesで遊んでみたり、ルータとして負荷をかけてみたり、Windowsで使ってみたりと、とにかくあれこれ試して(いじめて?)みた。
アップルによれば、OSがWindows XPの場合には、マイクロソフトのサポートサイトにある「Windows XP のワイヤレス機能に関する更新のロールアップパッケージ」でアップデートしなければいけないそうだ。しかしWindows 2000については何も情報がない。
突っ込んで調べる時間もなかったので、とりあえず次善の策を採った。彼はMicrosoftの「MN-710」というUSB 2.0接続の802.11gユニットを持っていたのだ。これで実験。
今度は、ちゃんとAirMac Expressと接続できて54.0Mbpsの表示が出る。なんだ、USB接続だったらうちのタワー(Windows 2000)にでもつなげるじゃないかっていうんで、これを借りてかえってきた。さっきの、AirMac Expressをルータとして使った速度測定はこの環境で測ったというわけだ。
さて、つながってしまえばあとは快適。いままでいろいろやってきた実験は、こっちでも問題ない(実際には、平行して実験していたんだけど)。
欲しいこといろいろ。特にリモコン。
米国のような広い家で、オーディオ装置とパソコンが何十メートルも離れているならともかく、こたつに座っていれば部屋の中に全部手が届くような生活ではAirTunesはあんまり必要ないかなと思ってた(*5)。
でも、ノートパソコンでiTunesを使っているなら、「線」がつながっていないというのはやっぱり気が楽だ。こたつの上で茶わんをひっくり返したときに、すぐにノートパソコンを持って逃げることができるのだ(*6)。
その一方で、少し広い環境になると、AirMac Express側からiTunesを制御したいということがやっぱり出てくる。あ、今の曲もう一回とか、この曲パスとか、そういうちょっとした制御がしたくなるのだ。あと、停止も。
まくらもとにスピーカーを置いてiTunesを聞いたりしてたとき、眠くなったらiTunesは止めたい。でも起きるのはいやだ。こういうときにちょっと困ってしまう。もちろん、スピーカーの(アンプの)スイッチを切っちゃえばいいのだけど、それでもiTunesはかまわず再生されている。これは気持ちが悪い。
聞いていないのに再生されているのはもったいないっていうのも事実なのだけど、もう一つ嫌なことがある。iTunesには各曲に「再生回数」という情報がついている。その曲を何回再生したのかをカウントしているものだ。
iTunesもiPod mini用のプレイリストを作るとき(*7)にこのデータを使っているようだけど、それ以前に、わたしはこの項目の数字が増えるのが結構楽しみなのだ。でも、アンプのスイッチを切って「聞いていない」曲がカウントされるのは本意じゃない。
と、ここまで書いてきて気がついたのが、普通の人は、寝るときにはパソコンのスイッチを切るんだよね。だとすると、なおさらAirMac Express側から停止するための仕組みがほしい(iTunesが「停止」になったらパソコンをシャットダウンさせるための方法は考えつく)(*8)。
パソコンの方に仕組みをして赤外線リモコンなどを使うという方法も考えつく。でも、AirMac Expressを使っている場合には、パソコンが直接見えるところにあるとは限らない。何よりせっかく無線LANでつながっているならそれを使いたいのは人情だ。
リモコンのためだけに、小さなノートパソコンを用意するという方法もある(そのマシンでiTunesを起動し、他のマシンのライブラリを共有する)。でも、そうするんだったら、そのパソコンのUSBからアンプにつないだっていいことになっちゃう。
やっぱりここはAirMac Expressにリモコンがつなぎたい。iPodについてくる程度の簡単なものでいいのだけど。今はプリンタのためだけにあるUSBポートなんか使えないかなあ。無線LANにぶらさがれるリモコンっていうものができたらもっと便利だけど(*9)。
もう一つ欲しい機能がある。いまは、iTunesから同時に複数の「スピーカー」に音楽を流すことができない。これができるようになるといい。いくつものAirMac Expressから同時に同じ音楽が流れるのだ。商店街モードである。ちょっとしたイベント会場なんかで、配線なしにBGMが流せるというのは便利だと思うのだけど。
あとは、iTunes以外からの音声を飛ばしたい。現状ではiTunes以外の音声はAirMac Expressでは出力できない。つまりDVDを見るときにはAirMac Expressは使えないのだ。もっとも、AirMac Expressはステレオ2chだから、5.1chが標準になっているDVDはどうなの?って気もするけど、でもその都度ケーブルをつながなきゃいけないのは面白くない。
一度ワイヤレスの環境に慣れちゃうともうダメなのだ。人間、楽をするほうにはすぐ慣れる。もちろんDVD以外のムービーなんかをみたいこともあるし。WindowsユーザーならMedia Playerで再生したいものもあるだろう(*10)。
*5 すこし偏見が入っている。
*6 かなり偏見が入っている。
*7 正確に言うと、iTunesのライブラリのサイズよりも小さな容量のiPod用のプレイリストを作成する時。
*8 乱暴な方法ならいまでもある。AirMac Expressをコンセントから抜いちゃえばいい。iTunesはエラーで停止する。
*9 今流れている曲が何かを表示したいという欲求もある。私もそろそろiTunesのライブラリの曲を全部記憶しているわけではなくなっているのだ。このとき、USBにプリンタをつないでおいて、今流れている曲を次々プリントアウトするのはどうかという案も、雑談の中から出てきた。面白いけど、うるさいと思う。紙、もったいないし。
*10 iTunesでもミュージックストアのミュージッククリップを見ようとすると、こいつはQuickTimeで表示されているので、AirMac Expressでは聴けない。
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