きょうは、「AGP対応GeForce 6600GT」のメモリクロックとHSIに想いを馳せた:グラフィックスカード(2/2 ページ)
従来のGPUと一線を画するパフォーマンスの新世代GPU。お手ごろ価格のミドルレンジも登場したがそのすべてはPCI Express対応。しかし、AGP対応マザーのユーザー待望のAGP版GeForce6600GTが登場した。早速、リファレンスカードでそのスペックとパフォーマンスをチェックしてみよう。
やや低めのメモリクロックはパフォーマンスに影響するか
では、そろそろ気になるパフォーマンスを見てみることにしよう。まずベンチマークをかける前に、最新のForceWare 66.93を適用し、レジスト情報を操作してユーティリティから動作クロックを確認する。
PCI Epxres版GeForce 6600 GTの定格はコアクロック500MHzにメモリクロック1GHzである。ところが、今回入手したリファレンスカードはコアクロックこそ500MHzであったが、メモリクロックはやや低い900MHzに設定されていた。メモリクロックの決定はグラフィックスカードベンダーにある程度委ねられることになっているが、NVIDIAの推奨動作クロックが900MHzなのかどうかに付いては現在確認できていない。
なお、今回比較するデータだが、ライバルATIには、GeForce 6600 GTに相当するような新世代ミドルレンジGPUがAGP版グラフィックスカードに存在しない。価格的にはRADEON 9600シリーズなどが競合するが、さすがにGeForce 6600 GTと比較すると隔世の感がある。
本来なら、同じNVIDIAで価格的に競合しそうなGeForce FX5900と比較してみたかったのだが、あいにくAGPのカードが間に合わなかったため、PCI Express対応のGeForce PCX 5900をPentium 4 540(動作クロック3.20GHz)&PC3200/512Mバイト×2chで動作させたときのデータと比べてみた。
ハイエンドGPUコアとはいえ、旧世代のGeForce PCX5900には優勢勝ちだろうと思いながらも、HSIを介するオーバーヘッドや低めのメモリクロックなど不安要素も抱えている。これらの要因がAGP対応GeForce 6600GTのパフォーマンスにどれだけ影響するかが、今回最も気になるところだ。
| ベンチマークシステム環境その1 | |
| CPU | Pentium 4/540(3.2GHz) |
| マザーボード | Aopen i915Gm-I |
| メモリ | PC3200/512MB×2ch |
| HDD | ST3160023AS |
| OS | Windows XP Professional +SP1 |
| ベンチマークシステム環境その2 | |
| CPU | Pentium 4/3.20E GHz |
| マザーボード | MSI 865PE Neo-P |
| メモリ | PC3200 512MB×2ch |
| HDD | ST3160023AS |
| OS | Windows XP Professional +SP1 |
以上の結果を見る限り、GeForce PCX5900に対しては圧倒的に優れたパフォーマンスを見せている。その一方で、PCI Express対応のGeForce 6600 GTカードと比べると、3DMark03の全項目でAGP対応のカードは若干低めとなる。この差は、HSIのオーバーヘッドというよりも低めに設定されたメモリクロックがそのまま結果に影響している考えるのが妥当だろう。しかし、それでも致命的なほど水をあけられているわけでもない。
先ほども述べたように、AGP対応のミドルレンジとしては、現在、唯一の新世代GPUである。今のところ、ATIはRADEON X700シリーズのAGP版を投入の動きを見せていない。
RADEON X700シリーズのAGPバージョンが登場しない限り、AGP対応GeForce 6600GTはこのクラスで突出したパフォーマンスと機能を誇ることになる。「私はどうしてもRADEONでないと気がすまない」という理由でもなければ、このGPUを搭載したグラフィックスカードは、まず間違いのない選択肢となるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.






