PCでスカパー!を録画する時に――AV&リモコン信号伝達システム「AVREx」を試す(3/3 ページ)
PCにおいて外部チューナーで受信した番組を録画するとなると、意外と面倒なのはご存じの通り。今回はその作業をかなり楽にできる、かつ一般ホームシアターユーザーにおいても活用できる機能を持つ、1万円程度から購入可能なAV&リモコン信号伝達システム、カノープス「AVREx」を導入してみた。
AV信号伝達とリモコン信号伝達、どちらが必要か
さてこのAVREx、信号の伝達はLANケーブルにてというシンプルさが特徴なのだが、Lifestyle編集部W記者に言わせると「こういった機器は、ワイヤレスじゃなきゃ意味ないよ」という。確かにそうかもしれない。
AV信号をワイヤレス送信する機器としては、2.4GHz帯無線を用いるシャープ「AN-SS700」(価格:2万5000円〜3万くらい)や、トモカ電気「AV SHARE(GN111)」(価格:2万円くらい)、古くは赤外線を用いるソニー「LASER AVLINK」というシステムなどが存在する。
ソニー「LASER AVLINK」を用いたワイヤレスAV信号伝達システム。奥の細長い形をした赤外線送信機「IFV-T1P」からAV信号を赤外線送信し、対応機器(写真例は液晶プロジェクタ「CPJ-A300」。ほかDVカメラなどにも対応機器があったようだ)で受信する。ただし赤外線を受信するために、受信側では凹状の鏡を開き、BSアンテナを調整するかのような細かい角度調整が必要であるうえ、ケーブル接続した時と比べると画質劣化具合はすさまじいものだった
LASER AVLINKは例外として、2.4GHz帯無線を用いるシステムは2万円台とやや高価であるうえ、欲しかった機能の一つであるリモコン信号の伝達はできない。もちろんAV信号のみの伝達が必要であれば、2.4GHz帯無線を用いるシステムを導入するほうがスマートであろう。
では、こう考えよう。AVRExそのものを無線化してしまうことはできないだろうか。
AVRExは互いにLANポート経由で接続する仕組みとなっている。であれば2台無線LANアクセスポイントを用意し、アドホックモード(用語参照)で接続してみるという実験をしてみた。
用意したのは、アイ・オー・データ機器「WN-AG/C」と新潟キャノテック「NetHawk WP100」という無線LANアクセスポイントだ(正確には、NetHawk WP100は無線LAN機能付きのプリントサーバ)。
結果から述べると……残念ながら実現できなかった。申し訳ない。
受信側となるAVREx-Rは、電源をAVREx-SからLANケーブル経由で給電する仕組みである。つまり、接続したアクセスポイントから電源が供給されないため動作しないという感じのようだ。
AVRExの機能をまとめると、
- 外部チューナーで受信した番組をPCで録画する場合に、接続を容易にするAV信号伝達機能を搭載
- 同時にリモコン信号も伝達可能で、PC近辺から外部チューナーの操作が可能に
- リモコン受信窓を一つにまとめられる/リモコン送信窓を拡張できる
という特徴がある。ホームシアター向けとしては、AV機器操作からスクリーン、調光といった操作まで総合的に行えるAMX製タッチパネルシステムなどが存在するが、それを購入できるほど恵まれたユーザーは少ないだろう。
AV信号伝達機能のほか、1万円台という価格でリモコン信号をも伝達できる機能を持つAVRExは、ユーザーの応用によってかなり多機能多目的に活用できそうな機器ではないだろうか。
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