面倒なビデオ編集はソフトにやらせてしまえば?:わかりたい人のための動画エンコード講座(2/2 ページ)
「次はビデオの時代だ!」 このセリフを何度聞いただろうか? だが、今のところそれは商用コンテンツでしか実現していない。CD-ROMが登場しても、DVDが登場しても、ケータイでムービーが録画できても、普通の人の遊びとしては、動画遊びはデジカメ遊びの普及率には遠く及ばない。その原因は、やはり「動画は面倒だから」ということになるのではないだろうか? 今回は、その問題を緩和してくれる自動編集ソフトを紹介したい。
自動編集ソフトウェアで「編集が面倒」をクリア
私が一番問題だと思っているのは、面倒その3の「編集が面倒」である。ソフトウェアも「iMovie」、「Windows Movie Maker」など、昔に比べればずいぶんと簡単なものが出てきてはいるが、それでも面倒なものは面倒である。
そこで注目したいのが自動編集ソフトウェアである。これは、「クリップなどを並べてボタンを押すと、ムービーをつなぎ合わせて完成させてくれる」というものだ。
私の知っている限りでは、この分野のハシリはソニーの「MovieShaker」である。MovieShakerはQuickTimeを活用したソフトウェアで、素材をかき集めて「シェーカー」ボタンを押せば、Flash素材や音素材を重ねた30秒間のムービーが作れる、というものだ。だが、残念なことに、MovieShakerは生産完了になってしまっている。
このような優秀なソフトが生産完了になってしまったのを残念に思っていたところ、つい先日、「muvee autoProducer3 magicMoments」(以下muvee)なるソフトが登場したので、早速使ってみた。
ポイントは「スタイル」を選ぶだけ
このmuvee、扱い方は極めて簡単で、
1. ビデオファイルや画像ファイルを選択する(必要があれば、それぞれのファイルの不要部分をカットする)
2. 使用する音楽ファイルを選択する(音を重ねるのか、音楽だけにするのかも選択できる)
3. 「スタイル」を選択する(後述)
4. キャプション(開始前のタイトルとエンディング)を入力する
5. フォーマットを指定して作成する
というものである。さらに、嬉しいことにDV取り込み機能もついているから、これ1本で、あまり苦労せずに、ちょっと気の利いたムービーが作れるのである。
ポイントは「スタイル」だ。これはいわばテンプレートで、muveeには「プロ使用スタンダード」、「ハッピーウェディングスタイル」、「セピア色の古いアルバム」など、24種類のスタイルが用意されている。また、選択されたクリップ類の順番を守るように指定することも、ランダムにすることもできる。
実際に試してみたところ、「カラーネガ・サイケデリック」などはなかなかおもしろい。ただし、全編これで通されてしまうところがちょっとだけツラいかも。「ポップ・カートゥーン・フレーム」はフレームが入れ替わるだけだが、子供の自慢ビデオにはよいだろう。スタイルをさらに追加したい場合は、スタイルを購入できるようになっている。
音楽は、単にバックグラウンドのためにあるわけではない。きちんと分析したうえで、映像エフェクトが音がデカい部分で「ドバーン」とシンクロするような工夫もなされているのだ。
結論としては、なかなかよいソフトなのではないかと思う。もう少しスタイルが充実してほしい、QuickTimeにも対応してほしいなど、不満な点はいくつかあるのだが、それ以上に「こういうソフトが存在すること」が重要なのではないだろうか。
こういった自動編集ソフトが数多く出てくれば、パーソナル・ビデオ・コンテンツももう少し増えるのではないかと思う。編集はある程度ソフトにまかせてしまう、という方法も悪くない。それが気に入らなければ、次のステップとして、それなりのソフトを使って自力で編集していく、ということでよいのではないだろうか?
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