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ソースネクスト1980円ソフトシリーズの戦略――2006年までに1000タイトル発売を目指す(2/2 ページ)

ソースネクストは、同社事業におけるコモディティ化戦略に関する記者発表会を開催、「北斗の拳」コミックやFlashPaper化ソフトなどを発売し、2006年には計1000タイトル、売上金額シェアトップを目標とすると発表した。

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「北斗の拳」「信長の野望」というコンテンツの強さをPCソフトに

 今回新たなジャンルとして制定した「ゲーム」「コミック」に属するソフトとして、イーブック イニシアティブ ジャパンとの提携によるコミックソフト、そしてコーエーとの提携による往年の名作ゲームソフトを発売する。

 イーブック「eBookJapan」にて提供している約6500点のタイトルのうち、マンガタイトルはやく4000点に上る。イーブックイニシアティブ 鈴木氏によると「今年に入ってから急速にユーザーが増え、売れ筋の北斗の拳は、約1か月で1万ダウンロードを記録している」とのことで、電子書籍を利用するユーザーの増加を強調した。

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「北斗の拳」の一部 (c) 原作 武論尊・漫画 原哲夫/Coamix

 ソースネクストと提携することで、インターネットのみからリアル店舗での販売チャネルを増やすことができるメリットがあるという。

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「インターネットビジネスはインターネットだけで終わってはいかんと思っている」イーブック イニシアティブ ジャパン代表取締役 鈴木雄介氏

銀行監修による年金シミュレートソフト「ズバリ 年金早わかり」

 フィナンシャルフリーダムという企業理念を持つ東京スター銀行と協業し、同行監修による年金シミュレートソフト「ズバリ 年金早わかり」も珍しい組み合わせだ。

 ズバリ 年金早わかりは、公的年金、老後資金、個人年金と3種類の年金シミュレートが行えるソフトだ。より広く多くのユーザー層をターゲットにし、ユーザーフレンドリーなサービスの提供を行うといった両者の理念が一致したという。

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「(この提携を契機に)今までにないタイプの製品が生まれるかもしれない」東京スター銀行代表執行役CEO タッド・バッジ氏

PDF作成機能に加え、FlashPaper作成機能も付属された「いきなりPDF FLASHPAPER」

 「ツール」ジャンルとしては、マクロメディアとの提携によりFlashPaper 2を1980円シリーズとする「いきなりPDF FLASHPAPER」をリリースする。FlashPaper2は、印刷可能なさまざまな文書やデータをFlashデータ化できるもので、米国では79ドル(約8000円)で販売されている。「いきなりPDF FLASHPAPER」はPDF形式とこのFlashPaper形式双方の生成が可能となっており、かなり挑戦的な価格であることは間違いない。

 マクロメディア井上氏は「FlashはPCではもちろん携帯電話でも標準化されつつある。無意識のうちに当たり前のように利用している。こういったことを比較的PCリテラシーの低いユーザーであっても、誰であってもできることが重要だ」とし、Flashを軸にするコモディティ化の推進という思いがソースネクストと一致したという。

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「Flashとソースネクストで、新しい時代を作り上げていきたい」マクロメディア代表取締役 井上基氏

 ソースネクストは最近、エレコムと提携したUSBメモリ本体付きのオフィス向けソフトシリーズや、日本アイ・ビー・エムと協業することで「ホームページ・ビルダー」を販売するなどの発表で知られるように、すでに魅力的なリソースやコンテンツを所持するメーカーと提携・協業し、同社の持つ幅広い販売チャネルにてそれらを販売するといった事業展開を行っている。

 今回は、「北斗の拳」コミックや「信長の野望」など認知度が高いコンテンツを用いたソフトの販売による、製品ジャンルのさらなる拡大や、年金シミュレートソフト、Flash作成ソフトといった購買ユーザー層が広く、企業用途において大量導入も望める可能性が高いソフトをリリースする。とりわけ、コーポレートライセンス契約が望める企業向け製品の強化も重要なポイントだという。

 例えば、今年3月に発表され、同社ソフトの中でも人気タイトルの一つとなっている「いきなりPDF」や、パスワードや印刷制限設定も行える上位版「いきなりPDF Professional」などは、すでに500社以上のコーポレートライセンス販売実績がある。1980円という価格は、一般個人ユーザーはもちろん、企業向けとしても大量導入におけるコストや、機能削減による低価格化というより、必要な機能のみがあればよいといったニーズにもマッチしている背景があると思われる。

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現在750社の企業導入実績があるが、2005年度以内に1万社の導入を目指すという
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2003年度は、約7割が紙パッケージでの販売を行っていたが、2005年度は約9割をスリムパッケージ化する。スリムパッケージは、とりわけ販売店での販売展開や企業での大量導入時にメリットがある
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